感染症や免疫異常を調べる血液検査血液を調べる検査
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- 感染症や免疫異常を調べる血液検査
- がんの手がかりを得る検査(腫瘍マーカー)
検査名称
CRP(C‐反応性たんぱく)、ASO
基準値
CRP(C‐反応性たんぱく) 0.3mg/㎗以下
ASO 成人166ToddU以下 乳児期100ToddU以下 小児期256ToddU以下(ランツランドル法)
どんなときに受ける?
感染症や免疫異常が疑われるときに受ける血液検査です。
どんな検査?
わたしたちの体には、もともと病気にかからないようなシステムが備わっています。これを免疫といいます。
免疫がはたらくと、血液の液体部分である血清に抗体がつくられます。その腫類や量を調べると、どんな病気に対して免疫ができているかがわかります。これを免疫・血清学検査といいます。
免疫、血清学検査は、感染や免疫異常などによる疾患の診断に広く用いられています。他の検査を組み合わせることにより、感染で起きた疾患なのか、免疫異常が原因の疾患であるかの手がかりを得ることができます。
検査で何がわかる?
CRP(C‐反応性たんぱく)
CRPとは、体内に炎症や感染、組織の損傷が起きたときに、血液中に増えるたんぱくの1種です。もともと肺炎球菌の成分のC多糖体に反応する血清たんぱくとして知られていました。
CRPは肺炎だけでなく、いろいろな感染症や炎症性疾患によっても強く反応するので、これらの疾患の有無を知ることができます。関節リウマチなどの膠原病でも、CRP値は高値になります。ただし、どの臓器、部位に病巣があるかは、この検査のみでは確定できません。正確な診断には、他のさまざまな検査や診察から総合的な判断が必要です。
また、CRPは炎症が主体の病気の重症度や治療効果を測るマーカーとしても有用です。同じような意義のある赤血球沈降速度(赤沈)が、炎症とは無関係の貧血で数値が左右されるのに対して、CRPはそうしたことがないことも利点の1つです。
CRPが高値を示した場合に疑われる病気には、前述した感染症、炎症性疾患、膠原病のほかに、悪性腫瘍、心筋梗塞、胆石症などがあります。
ASO
ASOは溶連菌に感染したときにつくられる抗体で、正式には抗ストレプトリジン‐Oといいます。このため、血清中のASOの量を調べることで、溶連菌に感染しているかどうかがわかります。
ASO値は、年齢によって大きく変動するため、基準値も異なります。溶連菌に感染していると、ASO値は高値となりますが、通常、感染してから1週間ほどから上昇をはじめ、約1ヵ月後にもっとも高くなります。
溶連菌がひき起こす感染症には、扁桃炎(へんとうえん)、咽頭炎(いんとうえん)、中耳炎、猩紅熱(しょうこうねつ)、リウマチ熱、急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)などがあります。
溶連菌感染症は、多くの場合、抗生物質を服用すれば治ります。しかし、リウマチ熱や急性糸球体腎炎の場合には、専門医による治療が必要です。