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検査名称
血清(けっせい)総たんぱく(TP)、アルブミン(Alb)
基準値
血清(けっせい)総たんぱく(TP) 6.5g~8.2g/㎗
アルブミン(Alb) 3.7~5.5g/㎗
どんなときに受ける?
一般の血液検査として受けます。
どんな検査?
血液中には100種類を超えるたんぱく質が含まれていて、これを血清(けっせい)総たんぱく(TP)といいます。血清総たんぱくのおもな成分はアルブミンとグロブリンで、アルブミンは全体の約67%を占めています。血清総たんぱくやアルブミンの値は、栄養状態の目安や肝臓、腎臓などの状態を把握するのに利用されています。
検査で何がわかる?
血清(けっせい)総たんぱく(TP)
血清総たんぱくは、常に体内で一定の状態が保たれていますが、肝臓や腎臓などの機能に異常が生じると、血清たんぱくの値が変動します。
血清総たんぱく数が低い場合は、肝硬変(かんこうへん)などで肝臓のはたらきが低下してたんぱくの合成が十分にできないときや消化吸収障害などが考えられます。またネフローゼ症候群などの腎臓の病気では、尿の中にたんぱく質が流れ出てしまうために低値になります。重症の感染症やがん、甲状腺機能障害(こうじょうせんきのうしょうがい)などでは、血液中のたんぱく質が大量に消費され血清総たんぱく数が低値になります。
なお、健康な人でも、偏った食事をしていると栄養摂取不足から、低たんぱく状態になることがあります。
一方血清総たんぱくの値が高い場合は、慢性の肝臓病や感染症、自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)、多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)などが考えられます。
アルブミン(Alb)
アルブミンは、肝臓でつくられるたんぱく質です。血液の浸透圧を調整するのに重要な物質で、血液のアルブミン少なくなると、むくみや腹腔内(ふくくうない)に水がたまる腹水(ふくすい)の原因になります。肝硬変(かんこうへん)や劇症肝炎(げきしょうかんえん)などでは、肝臓でつくられるアルブミンの量が減り、値が低くなります。
さらに栄養状態が悪いと低値になり、甲状腺疾患や炎症性疾患、がんなどではアルブミンが消費されるため、値が低くなります。
血清のたんぱくは、おもにアルブミンとグロブリンで構成されているので、グロブリンとの比率(アルブミン/グロブリン比=A/G比)で病気が診断されます。
検査結果の見方
下記の数値の場合、再検査及び、精密検査や治療が必要です。
[経過をみて再検査を行う]
・血清総たんぱく(TP) 6.0g~6.4g/㎗
[精密検査や治療が必要]
・血清総たんぱく(TP) 9.1g/㎗以上、5.9g/㎗以下
・アルブミン(Alb) 3.6g/㎗以下