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健康診断を知る
CHECKUP GUIDE

検査を受けるときの基礎知識検査を受ける前に

なぜ検査・健診は必要なの?

治療から予防の時代へ

日本人の平均寿命は、世界有数の水準にあります。しかし、急速な高齢化や生活習慣の変化によって、生活習慣病にかかる人や寝たきりの状態になるという残念なケースも増えています。健康な人生を送るために「予防」への取り組みが、ますます重要になっています。
検査・健康診断は、病気を早期に発見し、早期に治療を始めることを大きな目的としてきました。近年では、これをさらに進めて、検査によって病気になる前の兆候を見つけ、より積極的に予防するという方向へ進化しています。

増えつづける生活習慣病

検査・健診が進化した背景には、先にもふれたように生活習慣病の増加があります。
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、脳卒中などの脳血管性疾患、糖尿病などの生活習慣病は、いずれも命にかかわる重い疾病です。
こうした生活習慣病のリスク要因には、内蔵脂肪型肥満による高血圧、高血糖、脂質異常(高脂血症)があげられます。いわゆるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といわれるものです。
平成16年国民健康・栄養調査の結果によると、40歳から74歳までの日本人のうち、男性の2人に1人、女性の5人に1人が該当者、あるいは予備群と推定され、問題の大きさがクローズアップされました。

メタボリックシンドロームと特定健診(特定健康診査)

平成20年4月より、40歳から74歳のすべての人にメタボリックシンドロームに着目した特定健診と保健指導が義務づけられています。いわゆる「メタボ健診」です。
会社などに勤めている人とその家族は、従来の職場健診と同じように、検査日時の通知か、申し込みの通知が来ます。
自営業の人や退職した人とその家族の場合は、これまでの住民健診と同様に、自治体から通知があり、指定された医療機関で健診を受けます。
この特定健診では、血圧、中性脂肪とコレステロール量の検査、血糖値、尿中の糖とタンパク、腹囲測定などが行われます。健診結果によって、運動、食生活、飲酒、喫煙などの生活習慣を見直すための保健指導を実施します。自分の健康は自分で守るという意識を明確にする意味でも大切な健診です。

定期健診が大切な理由

糖尿病のような慢性の病気は、初期にははっきりとした自覚症状はありません。かなり進行してから、やせる、のどが渇くといった症状が出てきます。
また、悪性腫瘍(がん)も、初期には症状らしいものは出てきません。
このように自覚症状がないため、一見健康そうで毎日忙しく仕事をしているような人が、気づいたときには手遅れだった、という話を身近で聞くことがあるかと思います。
自覚しづらい病気、見つかりにくい病気を早期に発見し、早期治療をするためには定期的に健診を受けることが大切です。
定期健診を受けることは、自分の体の変化や異常にいち早く気づき、生活習慣を見直すきっかけにもなります。いまは何の問題もないと思っている人でも、健康で充実した「人生80年」を送るために、ぜひ定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

検査にはどんな種類があるの?

検査は大きく分けて2種類

ひとくちに検査といっても、医療機関では毎日さまざまな検査が行われています。
1つは、定期健康診断や人間ドックのように、あらかじめ検査の項目が決まっているもの。これは効率的に行うため、検査項目や検査の順序まで決められていることが多いものです。
もう1つは、一般外来を受診して、医師の診察を受けてから行うもの。これを臨床検査といいます。患者さんの病状に応じて、個々に検査項目が決められます。

スクリーニング検査(基本検査)と二次的検査

ここで、個々に受診して検査を受ける臨床検査の場合を詳しくみましょう。
一般外来で診察を受けると、医師は、問診、視診、触診、聴診などから得た診察所見によって患者の不調や病気の原因を推測します。しかし、診察所見だけでは異常のポイントを絞り込むことはできません。
そこで行われるのが、スクリーニング検査(基本検査)です。スクリーニングとは「ふるい分け」という意味で、病気をざっとふるい分けするための基本的な検査といえます。
尿検査、血液検査、X線検査、心電図検査など、短時間で結果がわかるものを組み合わせます。
診察所見と基本検査の結果から、どんな病気か診断がつけば、治療に入ります。
しかし、それでも病気が確定できない場合は、より詳しい二次的検査、さらには精密検査が必要な場合もあります。

検体検査とは

具体的な検査方法としては、受診者から採取した検体を分析する検体検査と、体を直接検査する生体検査に分けられます。
検体検査は、採取した尿、便、血液、腹水、喀痰(かくたん)のほか、内視鏡手術で切り取った組織の一部などを調べ、病状を把握します。
検体検査には、組織や細胞を顕微鏡で観察する形態学的検査、尿や血液の成分を化学的に分析する物理学的検査、血液中の細菌や抗原を調べる免疫血清学的検査、喀痰(かくたん) や尿、便の中の細菌を培養して病原菌などを特定する微生物学的検査などがあります。

生体検査とは

検査を受ける人の体を直接調べる生体検査には、次のような種類があります。
[生理学的検査]心電図、脳波、血圧、脈拍、筋電図などによって、体の生理的な反応・機能を測定します。
[画像診断]X線、超音波(エコー)、電磁波などによって、体のさまざまな部位を画像化して診断します。
[内視鏡検査]食道、胃、大腸などに、内視鏡(ファイバースコープや電子スコープ)を先端につけた細い管を挿入して、体の内部を検査します。
[負荷機能検査]検査を受ける人に、一定の力や運動、圧力などを加えて反応を測定し、体の反応や機能を測定します。
[その他の検査]身体測定、視力検査、眼底眼圧検査、聴力検査、平衡機能検査などがあります。

検査でわかること、わからないこと

定期健診や人間ドックの限界

検査といっても、その内容は大きく2つのケースに分かれます。
1つは、職場や住んでいる地域で行う定期健診や人間ドックで行うもの。もう1つは、一般外来で病気を疑って受ける検査です。
定期健診や人間ドックでは、幅広い項目を効率的に進めなければなりません。全身を網羅していても、特定の臓器を詳しく検査したり、精密検査をするわけではありません。気になる症状がある場合は、外来を受診し医師の診察を受けてから、専門の検査を受ける必要があります。

検査や健診をじょうずに使い分ける

基本は、全身の健康状態をチェックするために、職場や地域で行われる健康診断、あるいは人間ドックなどで1年に1度は定期的に健診を受けることです。
しかし、肉親に心臓病を患った人がいたり、日ごろから心臓に不安がある人は循環器検診を、同じように肉親に肺がんの人がいたり、喫煙歴があって肺が心配な人は肺がん検診といったように、個別に専門の外来で検査を受けるとよいでしょう。自分に必要な検査をじょうずに使い分けることも大切です。

病気予防のおさらい

日々の生活習慣をととのえること、すなわち、栄養バランスのよい食事、適度な運動、禁煙、週2~3日アルコールを摂取しない「休肝日」、質のよい睡眠、ストレスをため込まない、といったことが基本。
そして、定期健診を受けることです。
なかでも、がんは定期的に検診を受けて早期発見することが、大変重要です。肉親にがんの患者さんがいる人は、積極的に受けましょう。
肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんなどは、住民検診が行われています。