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検査名称
血糖(BS)、ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c)、インスリン(IRI)
基準値
血糖(BS) 70~109mg/㎗(空腹時血糖)
ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c) 4.3~5.8%+0.4(国際基準に合わせて2012年4月より変更)
インスリン(IRI) 2.2~12.4μU マイクロユニット)/mℓ(空腹時)
どんな検査?
糖の代謝がうまくいかず、血液中の糖が慢性的にふえた状態に多くなる病気が糖尿病です。 糖尿病は、カロリーの多い食生活、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣因子や加齢が引き金となって発症します。糖尿病は初期にはとくに症状がなく、症状が出たときは、かなり病気が進行しています。早期発見には血液検査が欠かせません。
検査で何がわかる?
血糖(BS)
血糖中の糖(ブドウ糖)は食事をするとふえますが、健康な人は膵臓からインスリンを大量に分泌させて、そのはたらきで糖を代謝するので、食後2時間くらいで血糖値がもとにもどります。しかし、インスリンが不足したりはたらきが不十分だと血液中の糖はふえたままの状態の高血糖になります。反対にインスリンが過剰になると、血糖値が低下し、手の震え、意識障害やけいれんなどに進行する低血糖(ていけっとう)症状が起こります。
血糖値は空腹時の血糖を調べるもので、糖尿病の発見と診断にもっとも重要な検査です。検査は9時間以上絶食したのちの空腹時に採血して測定します。
空腹時血糖値が126mg/㎗以上の場合は「糖尿病型」と診断されます。110~125 mg/㎗の場合は「境界型」と診断されます。「糖尿病型」「境界型」と判定された場合は、ブドウ糖負荷試験などの二次検査を行います。
糖尿病のほかに高血糖値から考えられる病気には、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、膵炎、肝炎、肝硬変などが考えられます。低値ではインスリノーマなどの膵臓の病気の疑いがあります。
ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c)
検査前1~2か月の血糖値の状態をおおまかに知るための検査です。赤血球の中にあって、体内に酸素を運ぶはたらきをしているヘモグロビン(Hb)の中には、ブドウ糖と結合してできたものがあり「グリコヘモグロビン」と呼ばれます。ヘモグロビンA1Cは、その一種で、1日の血糖値の平均が高いほどふえてきます。ヘモグロビンA1Cは、赤血球の寿命が(約120日)が尽きるまで付いているので、その割合を調べることで、過去1~2か月の血糖値の状態を知ることができます。
もともと糖尿病の人の血糖コントロールをみるために行われていた検査ですが、血糖値のように、食事や運動の影響を受けて変動することがないので、健康診断で調べることもふえてきました。血糖値の検査結果とあわせてみていきます。
ヘモグロビンA1C値が6.5%を超えていたら糖尿病を考えます。そのほか、高値になる病気としては、腎不全(じんふぜん)、異常ヘモグロビン血症(けっしょう)などが考えられます。5.2%以上では境界域と考えて食生活の改善などをしていきます。
反対に低値を示す病気では、消化管のがんや肝硬変(かんこうへん)、溶血性(ようけつせい)貧血などが疑われます。
インスリン(IRI)
インスリンは、血液中のブドウ糖の量を調節するホルモンで、膵臓から分泌されます。このインスリンが不足すると血糖値が上昇し、高血糖の状態になり、やがて糖尿病に至ります。血糖値などの検査とあわせて、高血糖を引き起こす病気、低血糖の状態を推定するのに用いられます。
インスリン検査は、前夜から飲食をしない状態で早朝に採血して測定します。
インスリン値が低い場合は、糖尿病、急性膵炎(すいえん)、慢性膵炎、副腎(ふくじん)機能不全などが疑われます。インスリン値が高い場合は、クッシング症候群、肝硬変、インスリノーマ、異常インスリン血症、インスリン自己免疫疾患などが疑われます。