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検査名称
梅毒(ばいどく)、エイズウイルス(HIV)抗体検査
基準値
梅毒(ばいどく) 陰性(-)
エイズウイルス(HIV)抗体検査 陰性(-)
どんなときに受ける?
・妊娠を考えるとき
・パートナーが変わったとき
・自覚症状がなくても、性交渉のある人は(とくに性活動が盛んな10代~20代は)2~3年に1回は検査を受けることをおすすめします。
どんな検査?
梅毒に感染している人は、HIVしている可能性があるという報告があり、実際にHIV感染者の50%が梅毒陽性というデータがあります。梅毒とHIVの両方の検査を行います。
検査の方法は?
採血によって、血液中の梅毒、エイズウイルス(HIV)の抗体の有無を調べます。
検査で何がわかる?
梅毒(ばいどく)
梅毒は、セックスによりトレポネーマ・パリダムという微生物に感染して起こります。
3週間の潜伏期間を経て、発症します。第1期は、感染した部位(キスなら口、性行為による感染なら性器)におできができ、やがて潰瘍(かいよう)になります。痛みがないので多くは見過ごされてしまいますが、ほうっておくと時間とともに血液やリンパの流れに乗って全身に広がっていきます。症状が出たり引っ込んだりするので気づきにくいのです。
梅毒の3期、4期になると、皮膚、骨、筋肉、内臓、脳、神経までもおかされます。また、妊娠中に感染し、気付かないまま出産すると、先天性梅毒の赤ちゃんが生まれます。
検査結果が陽性(+)の場合は梅毒が疑われます。ただし、梅毒に感染していなくても膠原病(こうげんびょう)や肝臓病、妊娠中で陽性に出ることがありますので、ほかの検査法もあわせて行い、梅毒かどうかを確認します。梅毒と診断された場合は、抗生剤で治療を行います。
エイズウイルス(HIV)抗体検査
エイズは「後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)」という病気で、エイズウイルスに感染して起こります。
潜伏期間が長く、感染していることをしらないままセックスをして感染を広めます。感染から1~3週間ごろにかぜやインフルエンザに似た症状がでますが、1~2週間で症状が消えてしまいます。また自覚症状がないことも多いため、多くの人が見過ごしてしまいます。その後10~15年前後は無症状のまますぎ、のちにエイズを発症します。
検査結果が陽性(+)の場合は、HIV感染が疑われます。ただし、陽性と出てもほかの抗体による可能性もありますので、再検査を行って確認をします。いくつかの検査で陽性と出た場合は、HIV感染者と判定されます。感染が認められたらすぐに専門機関で治療を開始します。
ドクターから
性感染症はいわゆる「遊び人がかかる病気」というイメージがありますが、今は恋人や夫婦間でも性感染症がジワジワと広がっています。とくにHIVの感染は、同性間でも、また異性間でもふえていて、先進国の中で唯一エイズが増加し続けている国が日本なのです。
梅毒もHIVも感染しても気づかないことが多く、そのまま放置していると、重大な後遺症が起きたり、エイズを発症すれば命にもかかわります。
STD(性感染症)の血液検査は、症状がなくても、セックスのパートナーが変わるたびに検査を受けることをおすすめします。