「冬のかゆみ」に悩んでいませんか?
冬は空気の乾燥シーズン。お風呂上りなどに、腰まわりやすねなどがかゆくなることはありませんか? 今回は冬のかゆみのお話です。
加齢とともに皮脂が減少
例年1月~2月はもっとも空気が乾燥しやすい時期だといわれています。暖房を使用している部屋なら湿度が20%~30%程度ということもざらにあります。
肌にとって快適な湿度は50~60%程度だとされていますから、冬はお肌にとっても過酷な季節。皮膚のかゆみに悩む人も増えてきます。
皮膚のうるおいを保つ大切な働きをする皮脂は、女性の場合は20代、男性の場合は30代をピークとして、その後は加齢とともに分泌量が減ってくるそうです。
その皮脂が大きく減少するのが40代ころ。このころから皮膚の乾燥を強く感じる人が増えてくるといわれています。
皮膚の乾燥でバリア機能が低下
冬になると、腰や脚などの肌がカサカサになって赤みやかゆみなどが生じるトラブルを「皮脂欠乏症湿疹(しっしん)」というそうです。主な原因は皮膚の乾燥です。
冬は低い湿度に加えて暖房による室内乾燥が重なって、皮膚の乾燥が進みます。
皮膚が乾燥すると、外からの刺激に対する皮膚のバリア機能が低下して、温度差や衣服のこすれなど、ちょっとした外部刺激にも敏感になるそうです。
このために皮膚の炎症が起こり、その情報がかゆみの知覚神経に伝わって、かゆみを感じるといいます。
かゆみの起こりやすい部位は?
皮脂欠乏症湿疹ができやすい場所は、足のすねや腰回り、脇腹、腕、背中など、皮脂が少なく乾燥しやすい部位や衣服の摩擦が起こりやすい部位に集中するといわれています。
入浴後や就寝前、布団に入ったあと、外出先から暖房の効いた室内に入ったときなど、皮膚の水分が急激に失われる場面などでかゆみが増すとされています。
「そういえば……」と思い当たる人も多いのではないでしょうか。
搔けば搔くほど、かゆくなる
かゆみがあると、私たちはついついかゆいところを引っ掻いてしまいますよね。
実は掻くという行為は、一時的に快感をもたらすそうです。
しかし皮膚にとって掻くことは大きなダメージ。掻くことにより皮膚を傷つけたり、湿疹などの皮膚のトラブルが悪化します。
それだけではありません。掻けば掻くほどかゆみが強くなる「かゆみの悪循環」に陥るといわれています。
皮膚を強く掻くことで皮膚のバリア機能が壊れ、衣服のこすれなどのわずかなことでかゆみ神経が刺激され、よりかゆみを感じやすくなるそうです。
また皮膚のバリア機能が壊れることで体の中から水分が外に逃げてしまい、乾燥肌が進んでさらに外部の刺激に弱くなります。
こうしてダメージを受けた皮膚は、ますますかゆみが強くなり、しつこいかゆみに悩まされるようになるといいます。
十分な保湿が大事
かゆみの悪循環を断ち切るには、皮膚の乾燥を防いで「掻かずにすむ状態」をつくることだとされています。
かゆみが起こったら、かゆい部分を冷たいタオルなどを使って冷やすとかゆみがやわらぐそうです。かゆいところを引っ掻いてしまわないよう、爪も短く切りましょう。
また、市販薬の乾燥肌用かゆみ止めを使うのも一案です。けれどもかゆみ止めはあくまで補助であって、かゆみの根本原因を治すのは保湿だといわれています。
かゆみから遠ざかるためには、肌の乾燥を進ませないことと十分な保湿がポイントになります。
肌を乾燥させない工夫
リラックス効果の高い入浴ですが、お風呂は肌の乾燥を一気に進める場面だといわれています。
肌を乾燥させないためには、「42℃以上の熱いお湯は避けて、ぬるめ(38℃~40℃)のお湯につかる」「お湯につかるのは10分程度で長風呂をしない」「体のゴシゴシ洗いを避けて、手のひらでやさしく洗う」こと。入浴後はすぐに保湿剤を塗ることも大事なポイントだといいます。
そのほか、こたつやホットカーペットなどの長時間の使用は皮膚の乾燥を進めるので要注意。エアコンなどの温風が直接肌に当たらないようにすることも重要です。
また、睡眠不足やストレスもホルモンバランスを乱すために、皮膚のバリア機能が低下しやすいといわれているので気をつけて。
保湿のポイント
冬の乾燥肌を防ぐには、先に述べた入浴後すぐの保湿がとても大事だといわれています。また、夜は体温が上がり、かゆみが強くなる時間帯です。寝る前にもう一度乾燥しやすい部位に保湿剤を塗ることもおすすめです。
セルフケアを行っても改善しない場合や強いかゆみがあるときには、がまんしないで皮膚科を受診しましょう。
この冬はかゆみを遠ざけて、快適に過ごしたいですね。
<参考>
※「皮脂欠乏症」(一般社団法人 徳島県医師会)
※「乾燥肌(皮脂欠乏症・乾皮症)」(公益社団法人 千葉県医師会)
※「かゆみと真剣勝負、かゆみの克服を目指して!」(順天堂大学 環境医学研究所)
※「皮脂欠乏性湿疹(皮膚炎)の原因&対処法」(ヒフシルワカル/シオノギヘルスケア株式会社)





