プラスコラム
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しゃっくりはなぜ起こる?

大事な打ち合わせ中や会議中などに突然始まったしゃっくり……止めたくても止まらないから、あわてますよね。

しゃっくりが出たときには、どんな対処法があるのでしょう? 

そしてそもそも、しゃっくりはなぜ起こるのでしょうか?

 

反射運動の1つ。自分の意思では止められない

 しゃっくりは、くしゃみやせきと同じ反射運動の1つ。医学用語で「吃逆(きつぎゃく)」というそうです。

「ヒック」となるのは、呼吸に関わる筋肉である「横隔膜」が自分の意思とは関係なくけいれんし、同時に声門が閉じることで起こる現象だといわれています。

 

どんなときに起こりやすいのか

脳の「延髄(えんずい)」という場所には、しゃっくりの発生・制御をコントロールする「吃逆中枢(きつぎゃくちゅうすう)」、いわゆる「しゃっくり中枢」というものがあるそうです。

暴飲暴食や早食いをしたり、アルコールや炭酸水の摂取、大笑いなど、なんらかの刺激によって横隔膜の近くにある迷走神経(内臓の感覚や運動を司る自律神経の一部)や横隔膜神経などが刺激されて、脳にある「しゃっくり中枢」に信号が伝わると、しゃっくりが起こるといわれています。

また緊張やストレスがあるときなどは、呼吸が浅く速くなって、血中の二酸化炭素濃度が低下します。これが神経系に影響を与え、横隔膜や迷走神経の興奮性が高まることで、しゃっくりが起こりやすくなると考えられているようです。

ほかに、病気が隠れていたり、薬の副作用でもしゃっくりが起こることがあるそうです。

 

しゃっくりをどう止める?

 しゃっくりが出ても、たいていの場合、数分間~数時間以内に自然に収まるといわれています。

けれども、しゃっくりは本人にとっても苦しいですし、仕事中などは少しでも早くしゃっくりを止めたいですね。

しゃっくりの止め方は、「いきなり相手を驚かせる」「冷たい水をゴクゴク飲む」「頭頂部に息を吹きかけてもらう」などなどいろいろな方法があるようです。

みなさんの中にも「自分なりの方法はこれ!」というものをもっている人も多いかもしれません。

しゃっくりの止め方は、人よって効果が異なるといわれているので、一概には言えません。しかし、主に以下の方法でしゃっくりが止まりやすくなるといわれています。

 

(1)血中の二酸化炭素濃度を上げる

・下腹部を膨らませるようにゆっくり息を吸って、10秒間息を止めた後、ゆっくりと息を吐く。これを繰り返す。

・腹式呼吸でゆっくりと息を深く吸い、肺が空になるまでゆっくりと息を吐き続ける。

など、呼吸を調整して神経の過敏さを落ち着かせます。

 

(2)迷走神経等を刺激する

・冷たい水をゆっくり飲む。

・レモンや少量の酢など酸っぱい物を口にする。

・両耳の孔に清潔な指を軽く入れて 30秒ほど静かに深呼吸しながらキープする。

・前かがみの姿勢で、コップになみなみとついだ水を、自分から遠い側(コップの反対側)のふちから、ゆっくりゴクンと飲む(前かがみの状態で無理な姿勢で水を飲み込むことで、迷走神経を刺激)

 これらの方法は、下がってしまった血中の二酸化炭素の濃度を上げたり、迷走神経に物理的な刺激を加えてリセットすることで横隔膜のけいれんを抑えることが期待できるそうです。

また例えば「両耳の孔に指を入れたあとに冷水を飲む」など他の方法と組み合わせると効果的なこともあるようです。しゃっくりが出たら、試してみてください。

 

2日以上しゃっくりが止まらない場合は、早めの受診

なお、前述したようにほとんどのしゃっくりは数分~数時間以内で止まりますが、しゃっくりが2日以上続くような場合は、薬の副作用や重大な病気のサインであることも。そんなときは、必ず早めに内科などを受診することをおすすめします。

 

<参考>

※「人体、マジわからん」と思ったときに読む本(株式会社 オーム社 千田隆夫著)

※「謎多き『しゃっくり』、なぜ起こる? 効果的な止め方は」(ナショナル ジオグラフィック日本版サイト2023.4.13公開/株式会社 日経ナショナル ジオグラフィック)

※「お酒を飲んでいたらしゃっくりが止まらない! 原因や止め方は?」(女性のための健康支援サイトLiLuLa/富士製薬工業株式会社)

※「しゃっくりの原因と止め方。100回で死ぬ?コロナの影響も【医師の解説】」(現代ビジネス2022.04.29/講談社)

※「しゃっくり、なぜ出るの?」(朝日小学生新聞2022.09.15/朝日学生新聞社)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。