
「幸せホルモン」で幸せになれる?
やる気や喜び、安らぎをもたらすといわれる「幸せホルモン」。
ストレスや気持ちの落ち込みなどでスッキリしない毎日が、この幸せホルモンの働きで和らぐというのですが、いったいどんなホルモンなのでしょうか?
幸せホルモンっていったい何?
一般に「幸せホルモン」と呼ばれているのは、セロトニンやオキシトシンといった神経伝達物質のことをいいます。神経伝達物質というのは、数百億とも一千億ともいわれる膨大な数の脳の神経細胞の間での情報の伝達を担い、興奮や抑制などを伝える化学物質のことだそうです。
その中でもストレスを和らげたり、やる気を促したり、幸福感などをもたらすとされる神経伝達物質のことを「幸せホルモン」と呼ぶようになったといいます。
この「幸せホルモン」が不足すると、イライラや不安、疲労感、不眠、意欲の低下、慢性的ストレスなどを招くことがあるといわれています。
「幸せホルモン」にはどんなものが?
「幸せホルモン」と呼ばれるのは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィンの主に4つです。
セロトニンは、喜びや快楽に関係するドーパミンや、恐怖や驚きに関係するノルアドレナリンなどの分泌をコントロールして心を安定させ、不安やストレスを和らげる働きがあるといいます。
睡眠にかかわるホルモンのメラトニンの原料にもなるそうです。
セロトニンの分泌が不足すると、攻撃性が高まったり、不安やうつ、パニック障害などを引き起こすといわれます。
また、女性ホルモンの分泌の減少がセロトニンの低下に関わっていることが分かり、更年期障害との関連が知られています。
「幸せホルモン」は体にどう作用する?
・オキシトシン
不安や恐怖を和らげ、やさしい気持ちにさせてくれるとされます。「愛情ホルモン」などとも呼ばれています。
家族やパートナーとのスキンシップや親しい人との会話、かわいい動物を見たり、ペットをなでたりしたときなどに分泌されるといいます。
・ドーパミン
やる気や集中力をアップさせ、快楽や幸福感を得られるホルモンとして知られます。
不足すると無気力や無感動、無関心などにおちいるといわれます。
・エンドルフィン
高揚感や陶酔感、幸福感をもたらし、鎮痛作用があることなどから脳内麻薬とも呼ばれています。
長時間走り続けているときの「ランナーズハイ」との関連もいわれているようです。
どうすれば「幸せホルモン」が分泌される?
「幸せホルモン」の分泌をうながすには何がいいでしょうか?
セロトニンの分泌を促すには、起床後、朝日を浴びる、ウォーキングや自転車に乗ったり、踏み台昇降などのリズム運動も効果的だそうです。食べごたえのある食べ物をしっかり噛むこともといいといわれています。
オキシトシンには、親しい人と手をつないだり、抱き合うなどのスキンシップがいいそうです。ペットとふれ合ったり、人にやさしくするのも効果があるといいます。映画やドラマ、小説に感動するのもいいそうです。
ドーパミンには、目標達成で分泌されるその特性を生かして、初めての場所を訪ねてみる、いつもと違う道を歩いてみる、部屋の片付けが終わったら自分へのごほうびをするなどがいいようです。
エンドルフィンには、おいしいものを好きなだけ食べる、好きな服を着ておしゃれを楽しむ、部屋の模様替えをするなど、自分が楽しい、気持ちよいと感じることをすると分泌が増えるそうです。
自分に合った「幸せホルモン」との付き合い方を探してみましょう。
<参考>
*「幸福に生きるためのホルモンのお話」(公立学校共済組合)
*「セロトニン」(厚生労働省/e-ヘルスネット)
*「幸せホルモンを増やす方法とは」(NsPace/帝人株式会社)
*「『幸せホルモン』を出すには…」(舞鶴赤十字病院・健診センターニュース)
*「【大丈夫】一人暮らしが寂しいと感じたら必見!孤独や不安を解消する方法」(フマキラー株式会社)
*「噛むこと研究室/すぐに出来る脳内革命! 噛むことでストレスフリーになる⁉︎」(株式会社ロッテ)