「大いびき」は熟睡の証拠?
ぐっすり眠っているときほど大きないびきをかくと思われがちですが、実はその逆。大きないびきほど熟睡できていない証拠だそうです。
どことなくユーモラスな印象のあるいびきですが、放っておくと危険ないびきもあるといいます。
意外と多いいびきの悩み
いびきの悩みはなかなか人にいいにくいものですね。
けれども実は「いびき人口」は意外に多く、日本人の2~3割はいびきをかくといわれています。
実際、家庭用や医療用のベッドを取り扱うベッドメーカー・フランスベッドが行った「2022年 いびきに関する実態調査」でも、いびきに悩んだ経験がある人は回答者の45%以上であることがわかりました。
男女別でみると、男性は50.4%が女性は40.8%。いびきは男性の悩みというイメージがあるかもしれませんが、女性にとっても珍しい悩みではないようです。
また、実態調査では、パートナーや家族など自分以外のいびきに悩む人ほど、睡眠への不満が増加していることも判明しました。
本人は気づいていなくても、いびきは周囲の人の安眠を妨害する深刻な問題。旅行先で友人から「いびきがひどくて眠れなかった」といわれたり、パートナーから寝室を分けることを提案されたという声もよく聞きます。
いびきはなぜ起こる?
でも、そもそも人はなぜいびきをかいてしまうのでしょうか?
鼻からのどのかけての空気の通り道を「上気道」といいますが、なんらかの理由で睡眠中にこの上気道が狭くなるといびきが起こることが知られています。
グォー、グォーという音は、狭い上気道呼吸を空気が通るときに空気の抵抗が増えて生じる粘膜や分泌物などの振動音。つまり睡眠中にスムーズに呼吸ができていないときに生じるのがいびきなのです。
危険ないびきとは?
いびきには花粉症や風邪などによる鼻詰まりやお酒を飲んだときなどに起こる一時的ないびきと、病的な原因で起こるいびきの2種類があるといいます。
一時的ないびきなら原因を解消すれば治るそうです。
けれども毎晩のように大きないびきを習慣的にかく人は、要注意。病的ないびきである可能性が高く、とくに心配されるのが、睡眠中に呼吸が止まりかけたり、呼吸が止まる状態が繰り返される「睡眠時無呼吸症候群」という病気です。
早めの受診が大事
十分に眠っているはずなのに熟睡感がなかったり、昼間眠気がある人、家族にいびきを指摘されている人は、医療機関に一度相談を。
内科や呼吸器内科、循環器科、耳鼻咽喉科、睡眠外来などで多くの科で診療されているようです。
<参考>
※「呼吸器Q&A」(日本呼吸器学会)
※「命に関わる、怖いいびきの話」(神奈川県)
※「大いびきは生活習慣病の一因」(オムロン ヘルスケア株式会社)