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女性も多い「いびき」の悩み

「グォー、グォー」

あなたは、ひどいいびきをかいて、他人の安眠を妨害していませんか? 

いびきといえば、太った男性の専売特許のように思われがちですが、実はひそかに悩んでいる女性も多いといいます。

今回から2回に分けて、いびきにまつわるお話をご紹介します。

 

いびきをかきやすいタイプ

「ンゴゴゴゴゴォ~」と壁をも振るわすほどのいびきの爆音。

いびきは、睡眠中に何らかの理由で、鼻からのどまでの空気の通り道が狭くなっていると起こると発生します。

空気の通り道が狭いところに呼吸をすると、空気抵抗が増えて鼻の粘膜や分泌物がふるえて振動します。この振動音がいびきの正体なのだそうです。

お酒を飲んだときや、風邪や鼻炎などがあるときは、いびきをかきやすくなりますが、しょっちゅう大きないびきをかく人は、次のような原因が考えられるそうです。

 

<いびきをかきやすいのはこんな人>

□鼻やのどの病気を持っている

□太り気味

□あごが小さい

□舌が大きい

□口のまわりの筋肉(口輪筋)が弱い

□アルコールをよく飲む

□疲れがたまっている

など

 

いかがですか? 

上記に当てはまる人は、気道が狭くなっていびきが出やすくなるそうなのです。

 

意外と多い女性のいびき

いびきは一般的に男性が多いイメージがありますが、実は女性の「いびきかき」も少なくないらしいです。

女性のいびきは更年期以降、多くなるといわれています。

女性ホルモンは舌を支える筋肉を緊張させる作用があるそうです。

そのため女性ホルモンの分泌が活発なときは、上気道が拡がりやすいのですが、女性ホルモンが減少する更年期以降は気道を広く保つことができなくなって、いびきをかく人が増えてくるのです。

 

また、若い世代でも、下あごが小さい、いわゆる小顔の人は要注意。

口の中の容積が小さいために、気道が下でふさがれて、いびきをかきやすくなるそうです。

美人の条件である小顔ですが、それによっていびきをかきやすいとなると、

はたして小顔がいいのかどうか、ちょっと複雑な心境になりますね。

 

「いびき=熟睡」は大きな間違い

いびき対策は、まずは、太っている人はダイエットをして体重を落とす、鼻炎などの病気を持っている人は耳鼻科などで治療を受けることがいびき解消の近道に。

そのほかにも横向きで眠る、アルコールを控える、口輪筋を鍛えることなども、いびき改善に効果があるようですよ。

 

ところで、グーグーいびきをかいている人を見ると、深~い眠りについて気持ちよさそうに思えますが、実はいびきをかいているときは眠りが浅く熟睡できていないといいます。

つまり、いびきをかいていること自体、よい睡眠をとれていないということになります。

さらに、見逃してはいけない危険ないびきもあるそうですよ。

次回は、気になる「危険ないびき」を考えてみましょう。

 

 

<参考文献>

*「ウィメンズメディカ」(小学館)

*「転ばぬ先の玉手箱」(万来社)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。