プラスコラム
PLUS COLUMN

慢性的ないびきにご用心!

「グガガガー、ゴォ~」……パートナーのいびきが気になることはありませんか?

あるいは、自分自身、家族から「いびきがうるさい」といわれたことは?

今回は「いびき」のお話です。

 

常習的ないびきは要注意

ときどきかくいびきなら、家族は「疲れているんだね~」と優しく見守ってくれるかもしれませんが、頻繫にいびきをかくとなると大問題。

いびきは家族の快適な睡眠を脅かすだけでなく、いびきをかいている本人もよい睡眠がとれていないことが多いといわれています。

でも、なぜいびきをかいてしまうのでしょう

 

いびきをかいていると、熟睡感が得られない

 そもそもいびきとは、何らかの理由で鼻やのどなどの空気の通り道が狭くなって起こるといいます。空気の通り道が狭くなっているのに無理やり呼吸をしようとするために、空気抵抗が増えて、鼻やのどが振動している音がいびき音だといいます。

 疲れているときやお酒を飲んだとき、風邪や花粉症などで鼻が詰まっているときはいびきをかきやすくなるといわれています。

 いびきをかくと、深い睡眠をとっているように思えますが、実はいびきが多いと睡眠中の血液中の酸素濃度が低下して脳や体が十分に休むことができず、よく眠れていないのだといいます。

 

大きないびきをかきやすいのは、こんな人

 しょっちゅう大きないびきをかく場合は注意が必要です。

大きないびきをかくということは、睡眠中に呼吸がスムーズにできていないことにつながります。体内に十分な酸素を取り込めないために、それだけ心臓に負担がかかってしまうそうなのです。

大きないびきを習慣的にかくのは、鼻の病気や扁桃腺肥大、肥満体型などが原因だといわれていますが、やせていても顎が小さいためにいびきをかくことがあるそうです。

 ところで、睡眠時無呼吸症候群は男性に多いイメージがありますが、女性は更年期以降、多くなるといわれています。

女性ホルモンは舌を支える筋肉を緊張させる作用があるそうです。

ところが、更年期以降は女性ホルモンが減少するために気道を広く保つことができなくなって、いびきをかく人が増えてくるそうです。

 

命に関わるいびきがある

「たかが、いびき」と思われがちですが、命に関わるいびきがあるそうです。それが「睡眠時無呼吸症候群」といわれる病気です。

 睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が10秒以上止まる病気。一般に1時間あたり5回以上の無呼吸、もしくは呼吸が弱くなる低呼吸が発生している場合は、睡眠時無呼吸症候群と診断されるそうです。

 睡眠時無呼吸症候群があると、睡眠中にしっかり脳と体を休めることができません。

そのため、十分な睡眠時間をとっていても、日中に強い眠気が起こったり、会議中にふいに睡魔に襲われたり、仕事のパフォーマンスも低下します。

また、仕事の内容によっては、事故や作業中の危険につながる可能性もあるので要注意。

さらに、睡眠時無呼吸症候群は狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こす危険性も増加するといわれています。

 たかが「いびき」と放っておかずに、耳鼻咽喉科や呼吸器科、内科、専門外来などを受診して、早めに治療を受けることをおすすめします。

 

いびきアプリも活用を

 ひとり暮らしの人は、自分のいびきに気づきにくいものですが、朝起きると口がカラカラに乾いていたり、睡眠をとっているにもかかわらず熟睡した感じが得られなかったり昼間眠気があるときは、この病気を疑ってみるとよいかもしれません。

 いびきアプリもいろいろでているようです。いびき音を簡単に録音することができるので活用して、いびきチェックをしてみてください。

 

<参考資料>

※『ウィメンズ・メディカ』(小学館)

※「睡眠時無呼吸症候群と循環器病 そのいびきが危ない!」(環器病情報サービス 国立循環器病研究センター)

※「睡眠時無呼吸症候群」(e-ヘルスネット 厚生労働省)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。