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治療用禁煙アプリが保険適用に。今年こそは「禁煙元年!」

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。

喫煙者は新型コロナに感染しやすいといわれています。

感染リスクを下げるためにも、今年こそ禁煙にチャレンジしてみませんか?

 

日本初! 保険適用の禁煙治療アプリ

 体に有害だとはわかっていても、ついつい手が出てしまうタバコ。

タバコをやめるのは至難の業……そんなふうに思っていませんか?

 最近では禁煙を後押しするさまざまな禁煙アプリが出ていますが、2020年11月、厚生労働省はニコチン依存患者の禁煙治療に使われるスマートフォン向けアプリを公的医療保険の適用対象とすることを発表しました。

同年12月からは、医師が処方する禁煙治療用アプリの保険適用が開始。

国内では初めての試みとして注目を浴びています。

 

 

リアルタイムで医師の助言を受けられる

保険適用された禁煙アプリの特徴は、患者がCOチェッカーを使って呼気のCO(一酸化炭素)濃度を毎日計測。

呼気の濃度が自動的に記録されて、これをもとに医師が指導します。

アプリには自動応答チャット機能も備えられているそうで、タバコを吸いたくなったときにボタンをタップすると、状況に応じて「つらいですね」とか「5分がまんする衝動がおさまります」など、リアルタイムで助言や励ましを受けられるそうです。

 

禁煙のモチベーションが保てる

禁煙でつらいのが、ニコチンの離脱症状が始まったとき。

ふとした瞬間に猛烈にタバコが吸いたくなりますが、強い衝動は数分でおさまり、吸いたい気持ちもだんだんやわらいでいくといわれています。

その間、気を紛らわすために、氷をなめたり、歯を磨くなどさまざまな方法があります。

しかし、喫煙欲求が高まったときに、禁煙アプリで助言や励ましを受ければ、くじけそうなときも、「もう少し我慢しよう」という気持ちがわいてくるのではないでしょうか?

禁煙は孤独な闘いですが、お医者さんと一緒に闘うことで、禁煙のモチベーションを保ち続けられるメリットがありそうです。

 

禁煙成功の後押しに

実際、禁煙治療用アプリの臨床試験では、このアプリを使った人は半年後の禁煙継続率が63.9%、治療用プログラムが入っていない場合より高くなったそうです。

スマホで利用できる治療用禁煙アプリが保険適用になったことで、禁煙成功を大きく後押ししてくれそうです。

 

 

<参考>

*「禁煙アプリ保険適用へ」(東京新聞 2020/11/12)

*「禁煙治療用スマホアプリの長期有効性を世界で初めて発表 -日本初の治療用アプリ治験結果-」(慶応義塾大学 プレスリリース)

*「禁煙治療のための標準手順書 第7版」(日本循環器学会 日本肺癌学会 日本癌学会 日本呼吸器学会)

 

 

 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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