プラスコラム
PLUS COLUMN

「タバコは吸わない」は世界的な潮流に

2019年12月、WHO(世界保健機構)は、世界の男性喫煙者の数が統計史上はじめて減少に転じる見通しになったと発表しました。

世界的に禁煙の流れが広がっているようです。

 

WHOの発表

ついに喫煙者は世界的規模で減少し始めました。

新聞などの報道によると、男女合計の総喫煙者はこれまで減少してきたそうですが、男性に限ると増加していたということです。

ところがこのたび初めて男性喫煙者が減少する見通しになったとWHOが発表しました。

WHO事務局長は、「タバコの害との闘いの転機となる」と述べているそうです。

 

日本の喫煙者の現状

実は、日本ではすでに喫煙者が減少しています。

JTが1965年以降毎年実施してきた「全国たばこ喫煙者率調査」によると、2018年5月時点で全国の喫煙者率は、男女合わせて17.9%(成人男性:27.8%、成人女性:8.7%)。

ここ10年で喫煙者はどんどん減少しているようです。

とはいえ、成人男性の約1400万人が喫煙していると推定されるそうです。

また女性の喫煙者はピーク時より減っているといわれているものの、ほぼ横ばい状態で推移しているようですから、諸外国と比べると日本はまだ喫煙にゆる~い国だといえそうです。

さらに、日本のタバコ規制は「世界最低レベル」とWHOの事務局長から批判されるなど、日本の受動喫煙対策はまだまだ遅れを取っているようです。

 

禁煙取り組みの本気度が試される?

2020年4月から改正健康増進法が全面施行され、多くの人が集まる施設は原則として、屋内禁煙となります。

日本のタバコ規制は、ここでようやくスタートラインに立ったばかり。

これから禁煙に対する取り組みの本気度が試されるような気がします。

 

喫煙場所難民になってしまうかも…

世界的な禁煙の潮流は、愛煙家にとってますます肩身が狭くなりそうですね。

タバコが健康に悪いにはわかっている、家族からもやめろと言われている。いつかタバコをやめたい……と思っている人は今が禁煙のチャンスかもしれません。

そうでないと、今後はますますタバコを吸える場所がなくなって、喫煙場所を求めてさまよい歩くことになりそうです。

 

<参考>

*「男性喫煙者 初の減少へ」(東京新聞 2019.12.19日)

*「2018年『全国たばこ喫煙者率調査』(日本たばこ産業株式会社)

*「最新たばこ事情」(厚生労働省)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。