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きっぱり、すっきり「禁煙」しよう!その2 実践編

どんなタバコも健康に重大な害を及ぼします。
逆にタバコをやめると、たくさんのメリットがあります。 禁煙した自分をイメージしてみてください。

禁煙をして、美肌と健康を手に入れる

男性の喫煙者が減る中、今タバコ業界がターゲットにしているのが若い女性です。そのためにおしゃれなパッケージに入った「軽い」タバコやメンソールタバコがいろいろと登場しています。でも、実際に害が軽いタバコなど存在せず、米国ではタバコにライトやマイルドなど紛らわしい名前をつけることを規制する法律ができたくらいです。というわけで、どんなタバコも健康に重大な害を及ぼし、美容の大敵であることに変わりはありません。
逆にタバコをやめると、こんなにたくさんのメリットがあります。
禁煙した自分をイメージしてみてください。

 

■女性の禁煙メリット

  • 病気のリスクが減り、元気にいられる。
  • 美肌や白い健康な歯を保つことができ、いつまでも若々しくいられる。
  • 禁煙できたことで自分に自信がもてるようになる。
  • タバコ臭さがなくなり、いつもさっぱりと清潔でいられる。
  • 食事がおいしく食べられる。
  • 家族や周囲から喜ばれる。
  • タバコに振り回されない生活ができる(喫煙できる場所を必死で探したり、タバコが切れてイライラしないですむ)。
  • 家計が助かる。タバコ代に費やすお金で旅行もファッションも楽しめる。
  • ピルやホルモン補充療法を受けるときの妨げにならない。

など

「イライラ」をつくりだす、本当の犯人は「たばこ」

禁煙は、どんな動機ではじめてもいいのです。「なりたい自分」に近づくために、ぜひ禁煙にチャレンジしてください。
禁煙チャレンジを前にして「でも……」と躊躇してしまう人、「いけないとわかっていても、ついまた吸ってしまう」という人は、タバコの依存性のワナにはまっているのかもしれません。そして、これこそが禁煙をむずかしくするいちばんの要因でもあるのです。
では、タバコにはどんな依存のワナが仕組まれているのでしょうか。タバコ依存のしくみをお話ししましょう。


タバコには身体的な依存と心理的な依存という2つの側面がありますが、身体的な依存はよく知られているニコチンによるものです。
タバコを吸うと、ニコチンは、すぐに脳細胞に到達して、快感の感情などを引き起こすドーパミンをはじめさまざまな神経伝達物質が放出されます。そのために、いっとき気分が落ち着つくのです。けれども、実はこの状態はタバコを吸ってからほんの数分しか続きません。その後はニコチンの濃度がどんどん下がっていくために、タバコを吸いたい欲求が高まってイライラしはじめます。
そしてニコチン不足になっているときに、たまたまストレスを感じることがあって「タバコを吸うと気分が落ち着いた」などのエピソードが重なると、「自分はタバコで癒されている」といった気持のすり替えが起こります。これがタバコへの心理的依存をつくってしまうのです。

ニコチン依存は、薬物療法で遠ざけられます

タバコ依存のサイクルを断ち切るためには、身体的な依存と心理的な依存の両方から考えていくことが大切です。
身体的な依存に関しては、ニコチン代替療法があります。これは少量のニコチンを貼り薬やガムなどを用いてゆっくりと体内に入れることで、ニコチンの禁断症状を軽くする方法です。
また、最近ではニコチンを含まない禁煙の飲み薬も登場しています。この薬は、ニコチンが切れたときの症状を軽くするほか、タバコを吸っても「すっきりしない」「おいしくない」と感じさせます。
こうした薬物療法を上手に利用して、身体的なタバコ依存を断ち切っていきましょう。

「どうしても吸いたい」欲求は、2~3分だけやりすごしてみよう

「タバコがないと私はダメ」といった心理的な依存を断ち切るには、「タバコを吸わなくても大丈夫だった」、「ストレスをやり過ごせた」という成功体験をもつことがカギになります。
タバコが吸いたいという欲求は、ほんの2~3分のこと。それを過ぎればタバコへの欲求が遠のいていきます。ですから、タバコを吸いたくなったら、深呼吸をしたり、ガムや昆布を噛んだり、水を飲むなど代わりの行動をして、喫煙欲求を遠ざけましょう。
それでもイライラするときは、ストレッチをするなど体を動かしたり、手紙を書く、トイレ掃除をするといったストレスを感じずにできる2~3分の「ミニ仕事」に集中することをおすすめします。手持無沙汰のときは、無意識にタバコに手が伸びたりしますが、何かに集中しているときにはタバコのことは忘れられるものです。

環境も大事。喫煙仲間には、上手に禁煙宣言を

禁煙をするときには、環境を整えることも大切です。タバコを吸うのは長年のくせになっているので、身の回りのタバコやライター、灰皿などタバコ関連のものはきっぱりと処分して、分煙できてない喫茶店などタバコを吸える場所やタバコを吸う人には近づかないことです。
周囲に「禁煙の決意」を表明してサポートを求めるのもひとつの方法です。ただし、相手が喫煙者の場合は、注意が必要です。喫煙者の大部分は、タバコをやめたいと思っているのにやめられないのが現状ですから、禁煙宣言をされると「自分だけ取り残されたくない」という不安から「1本くらいいいじゃない」とタバコをすすめることが多いのです。
断りにくい相手には「実はぜんそく発作が出て、医師から止められたんです」など健康状態を理由にするのも一法。それでも「吸いなさい」とは相手もさすがに言わないはずです。

専門家もサポートします

現在は、さまざまな禁煙支援サイトが出てきます。禁煙を決意したら、こうした禁煙サイトを利用するのもいい方法です。
また、自分はタバコ依存度が高そうだ、という人は禁煙外来を受診することをおすすめします。現在は、ニコチンの依存度が高いなど一定の要件を満たせば、保険診療で禁煙治療が受けられるようになりましたので、気軽に相談をしてください。
小さなニコチンパッチやガムなどは、薬局でも購入することができますが、たとえば妊娠・授乳期には使えないなど、ニコチン代替療法が行えない場合もあります。また使い方にも注意が必要です。薬局で購入するときは必ず薬剤師さんに相談し、禁煙指導や支援をしてもらえるかどうかを確認しましょう。

禁煙に失敗してもめげずに再チャレンジを

禁煙をはじめるのに「遅すぎる」ことはありません。どうか、今からチャレンジをしてください。また、せっかく禁煙したのに失敗してしまったという人も、決してあきらめないでください。禁煙は、自転車の練習と同じ。失敗しても、何度もチャレンジしていれば、必ず成功します!

プロフィール

小西 明美 先生
肝臓病学・禁煙外来
小西 明美 先生

小張(こばり)総合病院健診センター部長
総合内科専門医・医学博士
岡山大学医学部卒業、京都大学医学部大学院修了

京都桂病院、倉敷中央病院を経て平成13年から現職。(人間ドック・禁煙外来・女性外来担当)。消化器病学会指導医・肝臓病学会専門医・消化器内視鏡学会専門医・人間ドック学会認定医・指導医・「性と健康を考える女性専門家の会」禁煙プロジェクト責任者。