プラスコラム
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禁煙治療の保険適応、加熱式タバコも?

紙巻きタバコに代わるものとして、すっかり定着した感のある加熱式タバコ。

厚生労働省はその加熱式タバコも保険適応で禁煙治療ができるように検討を始めたそうです。

 

加熱式タバコは禁煙ツールではない

禁煙するための1つのツールとして、加熱式タバコに代えたという人も多いのではないでしょうか。

紙巻きタバコと比べて、煙もにおいも少ないから、なんとなく安心。

これで禁煙への第一歩を踏み出したと思っている人や、加熱式タバコはタバコではないと思っている人もいるようなのです。

しかし専門家は「加熱式タバコを含むいわゆる新型タバコは禁煙のツールではない」と指摘しています。

 

吸えば吸うほど欲しくなるニコチン依存のカラクリ

そもそも、タバコがやめたくてもやめられないのは「ニコチン依存症」が原因であることが知られています。

タバコを吸うと体内に取り込まれたニコチンはわずか数秒ですみやかに脳に達し、脳内では快感を生む物質がたくさん放出されるそうなのです。

イライラ感が解消されるうえに、快感や満足感が得られるために、タバコを吸うとリラックスできると認識してしまうそうなのです。

しかし体内のニコチンはすぐに消えてしまうので、また次の1本が吸いたくなるというわけです。

 

コカインや麻薬と同じくらい強い依存性

喫煙が習慣になると、タバコが吸えないとイライラする、ものごとに集中できないといった離脱症状が出てくるそうです。

これがタバコの依存性の正体です。

実はタバコに含まれるニコチンは、ヘロインやコカインなどの麻薬と同じくらい強い依存性があることが多くの研究からわかっているそうです。

 

加熱式タバコに含まれるニコチン

ご存じの方も多いと思いますが、加熱式タバコは、タバコの葉を電気加熱して蒸気を発生させてニコチンを吸い込むものです。

紙巻きタバコに比べると害が少なく安心なイメージがある加熱式タバコですが、日本禁煙学会によると、喫煙者本人に害を及ぼすニコチンとタールの含有量は、紙巻きタバコと大差がないとしています。

つまり加熱式タバコに代えたからといって、吸えば吸うほどもっと欲しくなる根本的なニコチン依存から解放されるわけではないのです。

さらに、紙巻タバコから禁煙目的で加熱式タバコに代えた人は禁煙に成功に成功するどころか、禁煙成功率が格段に低くなるという調査結果も出ているそうです。

 

禁煙治療で確実に禁煙を

加熱式タバコは禁煙ツールではなく、タバコ製品そのものなのです。

ニコチン依存症から抜け出すには、禁煙外来を受診するのがいちばんの近道。

医療のサポートを受けながら確実に禁煙ができます。

厚生労働省では、加熱式タバコの禁煙治療にも健康保険が使えるようにすることを検討し、治療を続けやすくするため、対面診療との組み合わせを条件に、スマートフォンなどを使ったオンライン診療を認めることも検討するそうですから、禁煙治療がぐっと身近になりそうです。

そろそろ本気で禁煙をはじめてみませんか?

 

<参考資料>

*改訂版「あなたのため、そばにいる人のため 禁煙は愛」(日本医師会)

 

<参考URL>

*「禁煙治療、加熱式たばこも保険適用…厚生省検討」(読売新聞オンライン)

https://www.yomiuri.co.jp/national/20191125-OYT1T50075/

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。