プラスコラム
PLUS COLUMN

魚は好き、健康にいい……でもあまり食べない理由とは?

四方を海に囲まれて、魚を長いこと食べ続けてきたわたしたちですが、

最近は肉に肉薄され、追い抜かれ、魚食の習慣に赤信号が……。

でも健康志向の高まりが追い風になりそうな気配も……?

 

魚は好き……だけど、ふだんは肉を食べる?

魚の消費が肉に追い抜かれたといっても、日本人の魚好きは健在のようです。

農林水産省の調べ(平成25年)では、

「魚介類を食べるのが好き」「どちらかというと好き」と回答した人の割合は85.6%もありました。

とはいえ実際の食生活は魚中心とはいえないようで……。

「魚介類が多い」もしくは「どちらかといえば魚介類が多い」と答えた人が

合わせて28.5%なのに比べ、「肉類が多い」または「どちらかといえば肉類が多い」と

答えた人が合計49.1%と20ポイント以上の差がありました。

 

また、「魚を毎日、もしくは週に4~5日食べる人」の割合は32.1%で、

平成9年度の調査よりも17.8ポイントも減少しているそうです。

「週に1回以下」という人も13.0%います。

「魚は好き」でも「ふだんはあまり食べない」というのが魚王国の現実のようです。

 

「魚は面倒」「割高」が魚を食べない理由?

魚を食べない理由はさまざま。

同調査では肉類と比較した場合の劣っている点をあげているんですが、

もっとも多いのが「魚の鮮度の低下の早さ、買い置きのしにくさ」で42.4%ありました。

次いで「調理後の生ゴミの処理」(39.7%)、以下、「魚の割高感」(33.7%)、

「骨があり食べにくい」(31.4%)、「調理しにくい」(25.0%)と続きます。

……どれもうなずけるというか、魚を食べない理由、なんとなく分かります。

他にも「子どもが肉好き」「肉のほうがおいしい」「肉のほうが栄養がある」といった意見も

ありました。

 

ただ、魚の優れた点についての回答では6割以上の人が「健康にいい」と回答しています。

さらに一般社団法人大日本水産会が主婦を対象に行なった調査(平成23年)では、

「魚が健康にいい」と回答した人が95.3%もいて、魚イコール健康といったイメージがかなり強いです。

「もっと食べるようにしたい」(95.3%)、「栄養価が高い」(68.9%)といった回答もありました。

 

「栄養価が高く」「健康にいい」魚をもっと食べるためには?

そんな誰もが認める「栄養価が高く」「健康にいい」魚をもっと手軽に食べるには

どうしたらいいのか?

魚食を妨げる「調理のしにくさ」「食べにくさ」が解消されたら魚はもっと食べられるのか?

 

突然ですが、最近、サバの缶詰が人気なんだそうですね。

料理本も多く出版されていると聞きます。

そうなんです、魚に含まれる不飽和脂肪酸EPAとDHAを簡単に摂取できる方法がありました。

一時スーパーの棚からその姿が消えたといわれた人気商品サバの水煮缶詰……。

というわけで、次回はいまや缶詰界の帝王にまで上り詰めたサバの水煮を中心に、魚の缶詰とEPAとDHAの関係に迫りたいと思います。

 

<参考URL>

*「水産白書?平成24年度水産の動向?」(農林水産省)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h24_h/trend/1/t1_1_2_3.html

 

*「水産缶びん詰生産量数の推移」(公益?日本缶詰びん詰レトルト食品協会)

http://www.jca-can.or.jp/data/pdf/suisan.pdf

 

*「日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編」(文部科学省)

http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365516.htm

 

*「平成23年度水産物消費嗜好動向調査」(一般社団法人大日本水産会)

http://www.suisankai.or.jp/topics/minutesarchives/2013/0614_03.pdf

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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