EPA、DHAが豊富なのは日本近海の魚だけ?
EPAにDHAといえば魚に含まれる脂肪のこと。
いまでは知らない人はいないというくらい有名です。
でも、魚であれば種類に関係なく脂肪が豊富に含まれているかというとそうでもないようで……?
EPA、DHA豊富な魚たちの共通点は赤と青?
「脂がのっておいしい」……。
魚を選んだり、食べるとき、そんな言葉をよく聞きますよね。
この脂というのが、健康によいとされるEPAとかDHAで、
EPAはエイコサペンタエン酸、DHAはドコサヘキサエン酸の略称です。
どちらもオメガ3(n-3)系の必須脂肪酸の1つで、
人間の体内ではつくることができないものだそうです。
どんな魚に多く含まれているかというと、ご存知のように、
イワシ、サバ、マグロ、サンマ……などといった
いわゆる赤身魚とか青魚、青背魚と呼ばれる魚に多く含まれています。
栄養がいっぱいの日本近海は魚の宝庫?
日本の海にはどのくらいの種類の魚が生息していると思いますか?
なんとおよそ3,700種類だそうです。
そんなことから日本近海は「世界でもっとも魚の豊かな海」といわれているらしいです。
「寒流」と「暖流」って聞いたことありませんか?
寒流というのは北からの冷たい海水の親潮とリマン海流のこと。
暖流というのは、南からのあたたかい海水の黒潮と対馬海流のことで、
この2つの流れが日本近海に流れ込み、魚たちにたっぷりの餌を供給してくれるというのです。
魚たちはここでたくさんの餌を食べ、脂肪をたっぷりと体に蓄えるというわけです。
魚はEPA、DHAがたっぷりの旬をねらえ?
脂肪いっぱいの魚には海を回遊する赤身魚とか青魚が多いといわれます。
たとえばクロマグロ(脂身)には100グラム中27.5グラムの脂肪が含まれています。
他にもサンマは23.6グラム、ブリは17.6グラム、真サバは16.8グラムだそうです。
この数値は脂がのるといわれる旬の時期ですから、旬がはずれると脂肪の量は減るようです。
ちなみにカツオの場合、秋に穫れるカツオは100グラム中6.2グラムだそうですが、
春だと0.5グラムと激減するようです。
……ということは、戻りガツオは脂が多くて、初ガツオは脂が少ないってこと?
「女房を質に入れても……」などと昔はいわれたようですが、
脂ののり云々より初物というほうに価値があったんでしょうねえ……。
白身の魚もどっこい、がんばっています?
ところで、白身魚はどうか?
これがどうして、なかなかのものです。
たとえばタチウオは20.9グラム、銀ダラは18.6グラム、ムツは12.6グラム、
キンメダイは9.0グラムだそうです。
もちろん脂が少ないものもけっこういます。
ヒラメは2.0グラム、カレイは1.3グラム、マダラは0.2グラムだそうです
(いずれも100グラム当たり)。
やはり脂肪をとるなら赤身魚、青魚ということでしょうか……。
ところで最近EPAが注目されているのだそうです。どんな働きがあるのでしょう。詳しくは次回!
<参考資料>
*「日本の魚」(東京新聞日曜版/2018年1月28日)
<参考URL>
*「EPAは今注目の健康成分です」(ニッスイ/日本水産(株))
*「必須脂肪酸DHAとEPAの違いとは?」(サントリーウェルネスOnlone)
https://www.suntory-kenko.com/contents/brands/dha/seibun/dha_and_epa.aspx