鳥肌はどうして立つのか?
寒いところに行ったり、怖い思いをしたときなどにぞわ、ぞわ~っと立つ鳥肌。
どんな仕組み起こるのか、気になったことはありませんか?
寒いときの鳥肌は、保温のため
私たちの皮膚には体毛が生えていますが、この体毛の根元には立毛筋(りつもうきん)という筋肉があります。立毛筋は寒さを感じると収縮して、毛穴や汗腺の 穴がふさがって、からだの熱が外に逃げるのを防ぎます。同時に立毛筋とつながっている体毛も引っ張られて逆立ち、毛穴の周囲が盛り上がります。それで「鳥 肌」といわれる特有の皮膚のいぼいぼ状態が生まれるのです。
鳥や動物は、寒いときは毛を逆立てて毛と毛の間に空気を含ませて、温かさを保とうとし ます。同じように私たちも鳥肌を立てて、体熱を逃さないようにしているというわけです。けれども、人間の場合は、肝心の体毛がかなり退化していますから、 動物のようにはいきません。鳥肌の保温効果は微々たるもののようです。
ところで、鳥肌が立つのは寒いときばかりではありません。怒りや恐怖、嫌悪を感じたときにもぞわぞわ~と鳥肌が立ちます。
なぜでしょう?
それは立毛筋が自律神経の交感神経に支配されているからです。
逃げるか、戦うか・・。こんなふうに精神的な緊張状態が起こって交感神経が緊張すると、反射的に立毛筋も収縮して鳥肌が立つというわけです。
よく、怖いことに遭遇すると「身の毛がよだつ」といいますが、この言葉はまさに強い恐怖に対して体毛が総毛だっているさまを言い表しています。
ちなみに、顔にも鳥肌はたっているそうです。ただ、立毛筋が退化していてあまり体毛もあまり激しく逆立たないため、実際に鳥肌が立っていてもほとんど目立たないのだそうなのです。
怒りや恐怖、嫌悪を感じるたびに、誰からもわかるような鳥肌が顔中にブツブツと立っていたら・・。う~ん。想像すると、ちょっといやかも。顔においては立毛筋が退化していてよかったのかもしれませんね。