ストレスが増える季節に知っておきたいこと
なんとなく気分が落ちこむ、疲れが抜けない……そんな“5月のしんどさ”を感じる人が少なくないといわれています。
5月は新年度の変化にまだ慣れきれず、心身がゆらぎやすい季節。
今回は、この時期のストレスについて考えてみたいと思います。
5月はストレスが増えやすい季節
ゴールデンウィークが終わると、通勤の混雑や休み中にたまった仕事のプレッシャーが一気に戻ってきます。
楽しい休暇とのギャップが大きいほど、気持ちが重くなりやすいといわれています。
特に30~40代は、仕事に加えて家事や育児、家族の予定調整など、日常のタスクが多く、休み明けに“現実が一気に押し寄せる”感覚を抱きやすい世代なのかもしれません。
「なんとなくしんどい」「やる気が出ない」と感じるのは、けっしてめずしいことではありません。
さらに5月は、気温や気圧の変化が大きい季節です。1日の寒暖差が続くと自律神経が乱れやすく、頭痛やだるさ、眠りの浅さなどにつながることがあるといわれています。
こうした要因が重なり、5月は心身のストレスが増えやすい季節とされています。
ストレスは“変化の負荷”
そもそもストレスとは、心や体に負担(ストレッサー)がかかったときに起こる、緊張や不調などの反応のことだといわれています。
私たちは「嫌なこと=ストレス」と考えがちですが、実は“良い変化”もストレスの原因になることが知られています。
たとえば、婚約・結婚、昇進、引っ越しなどは喜ばしい出来事ですが、環境が大きく変わるため、心身には負担がかかることがあるといわれています。
「休暇」や「帰省」などのイベントでさえ、生活リズムの変化や「楽しむべき」という期待がストレスになることがあるそうです。
また、心理的なものだけでなく、天候、騒音、病気、疲労といった身体的な要因もストレスの一種とされています。
つまり、ストレスは“悪いこと”だけが生むものではなく、変化そのものが負荷になるということです。
強いストレスで戦闘態勢に
強いストレスを受けると、瞳孔が開く、筋肉が緊張する、心拍数が上がる、呼吸が速くなるなど、体が一気に“戦闘モード”に切り替わるといわれています。
これは、自律神経のうち「アクセル役」の交感神経が優位になり、「ブレーキ役」の副交感神経が抑えられるためとされています。
この反応は「闘争・逃走反応(fight or flight)」と呼ばれ、外敵から身を守るために備わった仕組みだと考えられています。
太古の時代には必要な反応でしたが、現代ではこの“戦闘モード”が長く続いてしまうことが問題になるといわれています。
逃げられないストレス社会
現代のストレスは、猛獣に襲われるような危険ではありません。
上司に叱られたり、仕事の締め切りに追われたりしても、その場で戦うことも逃げることもできません。
そのため、命に関わらない状況でも、体だけが“非常事態モード”を続けてしまうことがあるといわれています。
「やる気が出ない」「体が重い」と感じるのは、体が発している「そろそろ休ませて」というサインなのかもしれません。
ストレスは誰にでも起こる自然な反応です。まずは「自分の不調には理由がある」と知ることが、心を軽くする第一歩になるといわれています。
ストレスを感じているときは、交感神経(アクセル)が過剰に働き続け、休息に必要な副交感神経(ブレーキ)がうまく効いていない状態です。そのため、大切なのは踏みっぱなしになった“アクセル(交感神経)”をゆるめて、“ブレーキ(副交感神経)”を働かせることだとされています。
次回は、張りつめた心と体をやわらげるための、日常でできるちょっとしたコツをご紹介します。
<参考>
※『心と体はこんなに繊細! ストレスの取り扱い説明書』(株式会社 ニュートンプレス)
※「ストレスとは」(働く人のポータルサイト こころの耳/厚生労働省)
※「ストレスとセルフケア」(こころの情報サイト/国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)





