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梅雨どきのキッチンに潜む“見えないリスク”

仕事終わりの疲れや毎日の忙しさに追われ、調理がつい“時短モード”になりがちではないでしょうか。

けれども梅雨どきは、そんなちょっとした油断が思わぬ食中毒を招くことも。

日々のルーティンに潜む食中毒の落とし穴をチェックしましょう。

 

食中毒リスクを高めるキッチンのNG行動

家庭で起きる食中毒の多くは、特別なミスではなく「誰もがやってしまう行動」から生まれるといわれています。忙しい女性ほどやりがちなNG行動をまとめました。

 

NG(1) 作り置き料理を常温で冷ます
◆なぜ危ない?

 細菌は20~40℃の間で一気に増殖するといわれています。

湿度が高い梅雨どきは、まさに細菌の“ゴールデンタイム”。

特にカレーや煮物は鍋の中心が温かいまま残りやすく、ウェルシュ菌が増えやすい環境になることが知られています。

厚生労働省も、家庭内食中毒の原因として「常温放置」に繰り返し注意を促しています。加熱後は2時間以内に20℃以下まで冷ますことが大切です。

どうすればいい?

・鍋ごと冷まさず、保存袋などに小分けし保冷剤で素早く冷やして冷蔵・冷凍庫へ。

・食べるときは鍋に移し、底からかき混ぜながら全体が沸騰するまでしっかり加熱。

“常温で長時間置かない””小分けにして早めに冷やす“ことで、食中毒のリスクを下げることができるといわれています。

 

NG(2) 冷蔵庫を“ぎゅうぎゅう詰め”にする

なぜ危ない?
 冷蔵庫に食材を7割以上詰めると、冷気が回らず庫内の温度が上がりやすくなるといいます。

消費者庁の調査では、夏場に庫内が10℃近くまで上がった例もあります。これでは細菌が増える温度帯になってしまいます。冷蔵庫を過信してはいけません。

どうすればいい?
・庫内は「6~7割収納」を目安にする。

・温度変化の大きいドアポケットに、生鮮品や卵を置くのは避ける(卵はパックのまま棚の奥へ)。
・肉や魚は袋に入れ、ドリップ(汁)が他の食品に触れないようにする。

“冷蔵庫に入れれば安心”ではなく、しっかり冷やせる環境をキープしましょう。

ちなみに冷凍庫はきっちり詰め込んだほうが効率よく冷やせるといわれています。

 

NG(3) 梅雨どきの“弁当作り”で温かいまま詰める
◆なぜ危ない?

 朝つくったお弁当は、通勤時や保管中、ずっと常温に置かれがちです。

梅雨の時期は細菌が急増しやすいため、厚生労働省もお弁当の衛生管理には特に注意を促しています。

この時期は、ハムやちくわなどの加工食品を加熱せずに入れたり、水分が多い生野菜、傷みやすいポテトサラダなどを入れるのは避けたほうがよさそうです。

どうすればいい?
・ご飯やお弁当のおかずは、バットなどに広げて完全に冷ましてから詰める。

・卵料理や肉のおかずは、中心までしっかり火を通す。

・水分の多いおかずや生野菜は避け、汁気はしっかり切る。

・持ち運ぶ際は、保冷剤や保冷バッグを必ず活用する。

忙しい朝ですが、「しっかり冷ます」のひと手間が安全につながります。

 

NG(4) 鶏肉の“生焼け”を見逃す
◆なぜ危ない?

鶏肉は表面が白く見えても、内部が生のままのことがあります。これは食中毒の原因となる「カンピロバクター」を引き起こす大きな原因になるといわれています。

農林水産省では、中心温度75℃で1分以上の加熱を安全の目安としています。

◆どうすればいい?
・厚みのある部分を切ってみて、中心まで火が通っているか確認する。

・フライパン調理は、蓋をして蒸し焼きにするなど中心まで熱を届ける工夫をする。

・電子レンジを使う際は、加熱ムラが起きやすいため途中で上下を返す。

肉の調理は「見た目だけで判断しない」ことが鉄則です。

 

NG(5) 賞味期限切れの卵で“半熟料理”をつくる
◆なぜ危ない?

 卵の賞味期限は、あくまで「生で食べられる期限」です。

農林水産省も、賞味期限を過ぎた卵は必ず「完全加熱」することを推奨しています。半熟卵や温泉卵、卵かけご飯を楽しむのは、賞味期限内の卵であることが前提です。

どうすればいい?

・賞味期限が切れた卵は、固ゆでや卵焼きなど「完全加熱」で消費する。

・半熟料理をつくる時は、必ず賞味期限内の新鮮な卵を使う。

・卵は購入後、すぐに冷蔵庫へ入れる。

「半熟=加熱不十分」と覚えておくと、梅雨どきの調理の判断がラクになります。

 

梅雨どきのキッチンは、思っている以上に細菌が増えやすい環境です。
でも、特別なことをしなくても、ほんの少しの意識と見直しが、毎日の安心につながります

 

<参考>

※「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」(厚生労働省)

※「食中毒から身を守るために」(農林水産省)

※「お弁当をつくるときに、どのようなことに気を付ければよいですか?【食品安全FAQ】」(東京都)

※「梅雨時期から要注意 冷蔵庫は食品の詰め過ぎNG 適量はどれくらい?」(ウェザーニュース/株式会社ウェザーニューズ)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。