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更年期から増える手指の変形「へバーデン結節」とは?

更年期に入ってから、手の指先の形が変わってきた気がする、ということはありませんか?

今回は、更年期以降に増えてくる「へバーデン結節」について、考えてみました。

 

指先にあらわれる、小さなサイン

へバーデン結節という名前を初めて聞く方も多いかもしれません。

これは、40代以降の女性にみられることが多い、手指に起こる変形性関節症の一つとされています。第1関節(DIP関節)と呼ばれる部分の背側に小さなコブ(結節)ができたり、痛みが出たりすることがあり、進行すると関節が曲がったまま固まってしまう場合もあるといわれています。

同じような変化が第2関節(PIP関節)に起こる場合は「ブシャール結節」と呼ばれるそうです。

 

気づかないうちに、指に負担をかけていませんか

はっきりとした原因はまだわかっていないようですが、日ごろ指先をよく使う人にあらわれやすいと考えられています。

 パソコンのタイピングや長時間のスマホ操作、家事や裁縫などの細かな作業…。こうした“手仕事”が積み重なることで、知らないうちに指に負担がかかっている可能性があるようです。

遺伝的な体質や加齢も関係しているといわれています。

 

更年期と手指のトラブル

近年は、女性ホルモンの変化との関連にも注目が集まっています。

女性ホルモンのエストロゲンには、関節や周囲の組織を守る働きがあるとされており、更年期以降にエストロゲンが減少すると、関節の不調があらわれやすくなると考えられています。

こうした背景から、日本手外科学会は2022年に、更年期以降の女性にみられる手指の痛みやこわばり、しびれ、変形などを「メノポ(メノポーザル)ハンド」と名付け、早めの相談を促しています。

 

気になるときは、専門医に相談を

へバーデン結節は、痛みがなくても放っておくと、変形がゆっくり進むことがあるといわれています。

いったん変形すると元に戻すのは難しいとされているため、早めに相談しておくと安心かもしれません。 また、へバーデン結節だと思っていたら、実は関節リウマチだったというケースもあるようです。

気になるときは、整形外科で相談を。手の構造に詳しい“手外科専門医”がいる医療機関を選ぶ人もいるようです。

 

今日からできる、手指をいたわる習慣

手指を無理に動かし続けると、痛みや症状が悪化することがあるといわれています。

たとえば、ビンやペットボトルのフタは専用オープナーを使って開けたり 、スマホは両手で持ち長時間の操作は控えるなど、指先に強い力がかかる作業はできるだけ避けて、できる範囲で手指を休ませましょう。

また、テーピングやサポーター、リングなどで第1関節を固定し、安静に保つ方法も有効とされているようです。女性ホルモンとの関連から、エクオールを含むサプリメントが注目されることもあります。

 

ボタンを留める、小さなものをつまむ、ペットボトルのキャップを開ける……私たちは、日々の何気ない動作の中で、思っている以上に手指を使っているようです。

小さなサインに気づいたときこそ、手指をいたわる時間を少しだけ増やしてみるのも良さそうですね。

 

<参考>

※「へバーデン結節」(公益社団法人 日本整形外科学会)

※「へバーデン結節」(一般社団法人 日本臨床整形外科学会)

※「メノポハンドとは? 更年期の手指のこわばりや痛み、その対策で十分?」(大正健康ナビ/ 大正製薬株式会社)

※「なぜ女性に多いの? 手指の不調」(オトジョラボ/大塚製薬株式会社)

※「へバーデン結節」(ユービケア/小林製薬株式会社)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。