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「いびき」と「寝言」…の、なぜ? どうする?

眠っている最中の出来事なので、ほとんど自覚できない睡眠中のトラブル。

なかには病気が隠れているものもあるようです。

今回は多くの人が抱える「いびき」の悩みと「寝言」について考えてみました。

 

「いびき」の裏に隠れている病気とは?

「いびきがうるさかったね」と家族からいわれたり、「いびきをかくから友達と旅行にいくのはちょっと……」などといった経験ありませんか?

 いびきは、なぜ起こるのでしょうか?

 眠っているとき私たちの体の筋肉はリラックスした状態になっています。同時にのどを支えている筋肉もゆるみ、舌の付け根が下がって、空気の通り道である気道を狭めます。その細くなった気道を空気が通るとき、空気抵抗によってのどの粘膜やのどちんこ(口蓋垂/こうがいすい)が振動して「グゴー」「ガガー」などといったいびきになるといいます。

 いびきは漢字で「鼾」と書きますが、実際は鼻ではなく、のどの粘膜がいびきの発生源。当人の鼻をつまんでもいびきを止める効果はなさそうです。

ただ、鼻中隔が曲がっていたり、かぜなどで鼻炎を起こしていると鼻の中の空気の通りが悪くなって「鼻いびき」をかくこともあるそうです。

 

日中の強い眠気や疲労感は要注意

 いびきの原因には体質や生活環境など、さまざまな理由が考えられるといいます。

もともと日本人はアゴの小さい人が多いことから、いびきをかきやすいのだそうです。他にも、肥満や飲酒、疲労、加齢、寝るときの姿勢(仰向け)などが、いびきの理由としてよくいわれています。

 いびきは睡眠の質を低下させ、昼間の眠気や集中力の低下、強い疲労感、抑うつ気分などを招くことが知られています。

とくに毎日のようにいびきが続き、日中に強い眠気を感じたり、熟睡感がないときは、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」の可能性も指摘され、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などのリスクが高まるといわれています。

ただ、朝、スッキリ目覚めることができて、睡眠も十分に取れているような単純ないびきであれば、原因となる、例えば肥満や飲酒、寝姿勢、鼻づまりなどを改善することで、多くはいびきが解消されるといわれます。

心配なときは早めに医療機関を受診して調べてもらいましょう。

 

「寝言」は浅い眠りのときにでやすい

たいていの人は「寝言をいっていたよ」といわれた経験があるのでは? 

「寝言」をいうのはめずらしいことではありません。とはいえ睡眠中にボソボソつぶやいたり、笑ったり、怒ったり、意味不明の言葉を発したりして、まだ夜明け前の出来事としては、ちょっと不気味な感じもします。

本人には寝言は無意識の行為。寝言をいっていることや、その内容も自覚しているわけではなく、ほとんどは周囲の人から指摘されて気づくといいます。約7割の人が寝言を経験しているといった報告もあるようです。

 寝言は主に夢を見やすい浅い眠りのレム睡眠中に起こりやすいといわれています。眠っている間に見る夢に反応してしゃべっていると考えられるといいます。深い眠りのノンレム睡眠でも寝言が出ることもあるそうです。

寝言の原因については、まだ分からない部分が多いといいます。

よく指摘されるのは、精神的ストレスや不安感、睡眠不足、生活リズムの乱れ、疲労の蓄積、寝る前の飲酒、寝具の不具合や室温の不快などがいわれます。

 

「寝言」に返事をしてはいけない?

 寝言を改善するには、まず睡眠の質を高める対策が有効といいます。寝室の温度や湿度、照明の調節、寝具が体に合っているかなど、寝室環境の改善のほか、運動や音楽、アロマなどによるストレスの緩和、規則正しい食生活に早寝早起き、就寝前の飲酒は控え、スマホの使用制限も大切です。

寝言が頻繁にみられたり、寝言が大声だったり、奇声を発するようなときは、睡眠の専門医に相談しましょう。

 寝言を「ただの寝言」ととらえず、体から発信された自分への健康アラームと考えて、日々の生活習慣を見直す契機にしてはいかがでしょう。

 ちなみに「寝言に返事をしてはいけない」とよくいわれますが、これは、「返事をすると脳が覚醒して、眠りが妨げられるから」だそうで、「呪われる」わけでも「眠りから醒めなくなる」わけでもないということです。

 

<参考>

*「いびきをかく原因は何?自分でできる対策方法を紹介」「寝言の原因は?対策や睡眠障害との関係性を専門医が解説!」(nishikawa(西川)公式サイト)

*「睡眠豆知識/Vol.2-2寝言の話」「睡眠豆知識/Vol.2-3いびきの話」(眠りの研究所/小林製薬株式会社)

*「健康サイト/いびき」(アリナミン製薬株式会社)

*「眠りナビ/寝言を言うのはなぜ?」(フランスベッド公式ブログ)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。