目薬の使いすぎに注意して
これからの季節は、目の乾燥が気になりますね。
空気が乾燥するから、冬は目薬が手放せないという声もよく聞きます。
けれども目薬の使いすぎには、注意が必要です。
「目薬依存」になっていませんか?
暖房の効いた部屋にいるときやスマホやパソコンの使用で目がショボショボしたときに、目薬をさすとスーッとして気持ちがよいですね。
気分がリフレッシュできるから、と決められた回数を超えて頻繁に目薬をさす人もいるようです。
けれども目薬の使いすぎは、かえって目に悪い影響を及ぼすことがあるといわれています。
過剰な点眼は保護作用を低下させる原因に
でもどうして目薬の使い過ぎに注意が必要なのでしょう。
1つは頻繁に目薬をさすことで、目の保護作用が低下してしまうからだといいます。
目の表面を覆う涙は水分の蒸発を防ぐ「油層」と角膜や結膜に栄養を送る「涙液層」、そして涙を目の表面にとどまらせる働きを持つ「ムチン層」の3層からなっています。 これは傷つきやすい目の乾燥を防ぎ、外から侵入するバイ菌や異物などから目を守ったり、角膜に酸素と栄養分を届けるなど、さまざまな働きをしています。
ところが目薬を使いすぎると、涙の抗菌成分や油分が流れて3層構造が崩れて、かえって目を傷つけてしまうことがあるといいます。
また、ドライアイの人も目が乾いたりゴロゴロするからと、用法・用量を超えてドライアイ用の目薬を使い過ぎないようにしましょう。
目薬の使い過ぎで大切な自分の涙を洗い流してかえって目の乾燥が進んでしまったり、目薬に含まれる防腐剤によって角膜が傷つくこともあるといわれています。
点眼後のまばたきに注意
ところで、目薬の回数だけでなく、9割以上の人が正しく点眼できていないという報告があるほど、多くの人が誤った目薬のさし方をしているようです。
例えば、点眼後に目をパチパチさせていませんか?
目をパチパチさせることで、目の全体に素早く薬剤が行きわたるような気がしますが、じつはこれは逆効果。
点眼後にまばたきをすることによって、せっかくさした目薬が目から鼻へと流れ落ちてしまうそうです。
点眼後は、目を閉じて目頭を軽く押さえるのが正解だといいます。
目頭を軽く押さえる必要があるのは、点眼薬が目から鼻のほうへ抜けていくのを防ぐためだといわれています。
目薬の効果を最大限に引き出すためにも、点眼後は目頭を軽く押さえて薬剤が目に行きわたるようにしましょう。
誤った使い方をしていない?
他にも容器の先をまぶたやまつげにつけて点眼すると、目薬が汚染される原因になるそうなので気をつけて。
また、開封後の目薬を長い間、ずっとバッグの中に入れっぱなしにしていませんか?
開封後の目薬の使用期限は、医療用目薬は開封後1か月が目安。市販の目薬の場合は2~3か月が目安だとされています。
使用期限を超えて使い続けていると、目薬の効果が薄れるばかりでなく、薬の容器の内部で雑菌が繁殖するおそれがあるそうです。
「目薬が余ったらもったいないから」と長期間使い続けたり、1つの目薬を家族など他人と使いまわしすることも危険だといいます。
なお、目薬の保管は、直射日光を避け、涼しい場所で保管します。
防虫剤や湿布薬等の近くに置くと、防虫剤及や開封した湿布薬等の揮発成分が目薬の容器に浸透して、目薬をさしたときに目に刺激を感じることがあるそうですから、保管場所にも気をつけましょう。
内服薬は用量・用法を守ってのんでいても、目薬に関しては案外アバウトに使っている人が多いようです。
気になること、わからないことがあれば医師や薬剤師に聞きながら、目薬も内服薬と同じように正しく効果的に使いたいですね。
<参考>
※「目薬の使い方 第2版」(公益社団法人 日本薬剤師会)
※「目薬の話」(三豊・観音寺市医師会)
※「目薬の正しいさし方は? 間違ったさし方に要注意」(スマイル/ライオン株式会社)
※マイティアStyle「目薬の使用期限はいつまで? 開封後の使用に関する注意点と正しい保管方法」(千寿製薬株式会社)





