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PLUS COLUMN

イヤホンの長時間使用で注意したい「外耳炎」

音楽を聴いたり動画サイトを見たり、テレワークでもイヤホンを使うことが増えてきました。

長時間のイヤホン装着で耳のトラブルが増えているといいます。

あなたは大丈夫?

 

1日どのくらいつけている?

突然ですが、あなたは1日にどのくらいイヤホンをつけていますか?

東京都が都内在住の16歳~39歳までの男女1145人を対象に行った「イヤホン使用が聴覚に及ぼす影響調査」によると、ポータブルオーディオ、イヤホンともに回答者の約7割が使用しており、イヤホンの使用頻度については「ほぼ毎日が28%」、「週4~5日」が28.6%で、半数以上が週4日以上使用しているようです。

1日あたりの使用頻度は2時間未満という回答者は86.9%と大半を占めていましたが、4時間以上という回答者も3.2%いました。

いつもイヤホンが手放せないという人は、少なからずいるようです。

 

イヤホン外耳炎!?

 イヤホンを長時間つけていることで、さまざまな耳のトラブルが増えているといいます。その一つが外耳炎。

外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの道(外耳道)のキズがついて、そこから菌が侵入して炎症を起こした状態のこと。

 耳掃除のしすぎで外耳炎を引き起こすことが知られていますが、長時間のイヤホン使用も外耳道の原因になるそうです。

 

耳の中はデリケート

そもそも外耳道の皮膚が薄くてデリケート。長時間のイヤホンにより、外耳道の皮膚が剥がれたり傷つくと、そこから細菌が侵入して炎症を引き起こしてしまうそうなのです。

 また、長時間イヤホンをつけることで、耳の中は暖かく湿った高温多湿の状態になり菌が繁殖しやすくなるのでご用心。

 イヤホンは清潔にして、ときどきはずして耳の中の換気を心がけるとよいそうです。

 

気になる症状があれば早めに受診を

外耳炎になると、耳のかゆみや痛みを感じたり、ひどくなると耳だれが出たり、外耳道の腫れが強いときには、耳のつまり感や聞こえづらさなども出てくるそうです。

 外耳炎を悪化させると、治るまでに時間がかかるといいますから、気になる症状が出てきたら、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

 

耳への負担を軽減する骨伝導イヤホン

 ところで、外耳炎になりやすい人は、骨伝導イヤホンを選ぶとよいといわれています。

骨伝導イヤホンは、通常のイヤホンと違って外耳や中耳にある鼓膜を通さずに、骨を振動させることで音を直接届ける仕組み。耳をふさがずに使用できるので、通常のイヤホンのような外耳炎のリスクがないといわれています。

 さらに従来のイヤホンに比べて難聴になるリスクも低くなるそうです。

 試してみてはいかがでしょうか?

 

<参考>

※「健康コラム リモートワークでリスク増!? 外耳道炎」(千葉市医師会)

※「コロナ禍で耳トラブルが急増 原因はイヤホンの使い過ぎ」(TOKY MX NEWS 2020.10.2)8

※「リビングむさしの 2020.11.06」(サンケイリビング新聞社)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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