
見直したい緑茶の魅力
5月はおいしい新茶の季節ですね。
日本では若者のお茶離れが進んでいるとも言われていますが、海外では緑茶のブームが続いているとか。
今回は、緑茶の魅力について考えてみました。
日本茶の輸出量は年々増加
日本茶輸出促進協議会によると2021年の輸出量は260億円を超え、前年対比111%と日本茶の輸出量は年々増加。とくに米国、カナダ、英国、フランスでの増加が目覚ましいとしています。
海外の日本茶ブームの背景にあるのが、日本食ブームやヘルシー志向の高まり。
日本茶の抗酸化作用に注目が集まって、抹茶などの緑茶がとても人気があるそうなのです。
体に良いさまざまな効能が
お茶には、さまざまな成分が含まれていますが、含有量が多く注目されているのが茶カテキンです。
茶カテキンは抗酸化物質であるポリフェノールの一種だそうです。抗酸化作用だけではありません。茶カテキンには、抗がん作用や肥満予防、血圧上昇抑制、コレステロール低下、抗ウイルスなど体にいい効能がたくさんあることが知られています。
また、カテキンにはお茶の抗菌作用・殺菌作用があるとされていて、虫歯菌の増殖を抑えるといわれています。
お茶のむと口の中がさっぱりするだけでなく、むし歯や口臭を防ぐとされていますから、食事やおやつを食べるときにはぜひお茶をのむ習慣をつけたいものですね。
さらにお茶でうがいをするとインフルエンザ予防に有効であるという報告もあるようですよ。
精神の安定・リラックス効果も!
ところで、お茶を飲んでほっと一息、というシーンも多いと思いますが、実際、お茶に含まれるテアニンは、精神の安定やリラックス効果をもたらすといわれています。
「テアニン」はうま味成分として知られるアミノ酸の一種で、お茶のうまみに関係しています。玉露などお高級なお茶ほど、このテアニンが多く含まれているそうです。
ペッボトルの緑茶飲料派が増えているけれど
緑茶は日本人にとって欠かせない飲みものですが、近年はペットボトルの緑茶飲料が台頭してきました。
農林水産省が「令和2年度 食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査」の中で実施した「緑茶の飲用に関する意識・意向調査」によると、回答者の61・9%が、ふだんペットボトルや紙パックなどの緑茶飲料を飲むと回答しており、「茶葉(お茶っ葉(ティーバッグを除く)からいれたお茶を飲む)」(51・4%)という回答を上回っていました。
なるほど、ペットボトルのお茶は、どこでも買えてすぐに飲め、片づけの面倒もありません。
でも急須で入れるお茶のほうがおいしいと感じている人も多いのではないでしょうか。
その違いは、うまみにあるようです。ペットボトルの緑茶と急須で入れた緑茶のみや成分を比較すると、急須で入れた煎茶の方が数倍すぐれていることが分かっているそうです。
手軽さをとるか、味と効能をとるのか。人によっても価値観は違うでしょう。
でもペットボトルの緑茶飲料派も、たまには急須でゆっくりと時間をかけて、奥深い日本茶の世界を楽しんでみては?
<参考>
※日本茶輸出促進協議会ホームページ
※「令和2年度 食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査」(農林水産省)
※『心の病を治す 食事・運動・睡眠の整え方』(翔泳社 功刀浩著)