プラスコラム
PLUS COLUMN

体を暑さに慣らして熱中症対策

本格的な暑さがやってくる前に、熱中症への備えをはじめることが大切らしいです。

暑さに体を慣らす、汗をかきやすくするなど、早めの対策が熱中症予防の秘訣とか。

暑さへの準備できていますか?

 

「暑熱順化」はできていますか?

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」というそうです。

暑さが本格的になる前に「体を暑さに慣れさせること」で熱中症になるのを防ごうということです。

 なぜ暑くなる前に「暑さに慣れる」準備が必要なのでしょうか?

 私たちは仕事や運動などで体を動かすと体温が上がります。

体温が上がると熱が体内にこもらないように汗をかいたり、皮膚の血管を広げて血流量を増やしたりして、体の表面から熱を逃がして体温の上昇を防ごうとします。

 ただこうした体のメカニズムは一年中、同じように機能するわけではないようです。

とくに春の終わりから初夏にかけての寒くなったり暑くなったりする気温の変化の激しい時期は、まだ体が暑さに慣れていないので、急に暑い日が続くときなどには熱中症になりやすいといわれています。

暑熱順化がうまくいっていないということになります。

 

浴槽で汗をかくことが熱中症の予防?

暑熱順化をスムーズに行うにはどうすればいいのでしょうか?

日本気象協会が暑熱順化の対策をまとめています。

それによると通勤や買い物の際には、一駅分歩いたり階段を使うなど、少し汗をかく程度の運動を意識して行うことが大切だそうです。

また、ウォーキングなら30分、ジョギングは15分が目安だそうで、週に5日程度が望ましいということです。

サイクリングは1回30分、週に3回程度が目安だそうです。

室内での筋トレやストレッチも有効だそうです。

室内が暑くなりすぎていないか、水分や塩分の不足にも注意しながら、1日30分、週5回〜毎日が望ましいとしています。

また、お風呂はシャワーだけですませないで、湯船につかって適度に汗をかくのがよいということです。

入浴の前後には水分と適度な塩分の補給を忘れないように注意しながら、

2日に1回は湯船につかって汗をかくのが望ましいようです。

 

暑熱順化は暑くなる前に始める?

暑熱順化は本格的に暑くなる前に行うのが効果的なようです。

さらに暑熱順化によって体が暑さに慣れるには数日〜2週間ほどかかるといわれています。

なので、今日、暑熱順化のための行動をしても、その日のうちに体が暑さに順応して熱中症が防げるわけではないということです。

 さらに暑さから数日間、遠ざかるだけでも暑熱順化の効果は薄れてしまうらしいので注意が必要です。

 暑熱順化ができていない可能性のある時期として、日本気象協会は、5月の暑い日、梅雨の晴れ間、梅雨明け、お盆明けなどをあげています。

 これら順化ができていない時期の2週間前を目安に、運動や入浴をして汗をかくことが大切と同協会は指摘しています。

 

<参考>

*「『熱中症ゼロへ』プロジェクト」(一般財団法人 日本気象協会)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。