プラスコラム
PLUS COLUMN

猛威をふるうインフルエンザ。 一歩進めたインフルエンザ予防を

生労働省の発表によると、

1月22日~28日の1週間のインフルエンザ患者数は1医療機関当たり52・35人で、

過去最多を更新(2018年2月2日発表)。

大流行はさらに続く可能性があると予測されています。

今回は、一歩進めたインフルエンザ予防のお話です。

 

今年はA型、B型が同時に流行中!

厚生労働省によると、今シーズンの累計患者数は推計1111万人とのこと。

A型に加えて、例年2月から流行するB型も早くも流行っているそうですから、

インフルエンザに2回かかっている人もいるようです。

そんな中、「今は、絶対にうつりたくない」とインフルエンザの脅威に

戦々恐々の人も多いのではないでしょうか?

 

予防対策には口腔ケアが大事

インフルエンザの予防といえば、

予防接種のほかにもこまめな手洗いやうがいなどがあげられますが、意外と知られていない予防法に「歯磨き」があるといわれています。

口腔内が汚れていると、口の中の細菌が増殖して、

粘膜バリアを壊す「プロテアーゼ」などの酵素が多くつくり出されてしまうそうなのです。

その結果、粘膜バリアが壊れて、インフルエンザウイルスがさらに侵入しやすい状態に……。

言い換えれば、口の中の細菌などの雑菌が除去されれば、

プロテアーゼなどの酵素の産生が減り、

インフルエンザウイルスが増殖しにくくなることになります。

 

実際に、小学校や介護施設などで歯磨きを徹底したことで、

インフルエンザにかかる人が減ったという報告もあるそうです。  

お口の中を清潔に保つことが、インフルエンザ対策の大きなポイントになるようです。

 

起床後すぐに、うがいか歯磨きを

ところで、みなさんは、朝の歯磨きはいつ行いますか? 

朝ご飯を食べてから歯磨きする人も多いようですね。

しかし、唾液が出ない睡眠中は、口の中の雑菌が爆発的に繁殖しやすくなるので、

朝起きてすぐにうがいや歯磨きをなどで口腔ケアを行うことをすすめる専門家が多くいます。

もちろん、毎食後の歯磨きも忘れずに行いたいもの。

とくに夕食後は念入りな歯磨きを心がけたいものですね。

 

緑茶パワーにも注目を

また、緑茶に含まれるカテキンには、

抗酸化作用、抗菌・抗ウイルス作用を持っていることが知られています。

緑茶を飲むことで、インフルエンザウイルスの発症が低下することが、

科学的にも証明されつつあるようです。

意識的に緑茶を飲んだり、

緑茶でうがいすることもインフルエンザ予防に効果的だといわれています。

 

ウォーキングで免疫力もアップ?

もう1つ。

インフルエンザ予防で、最近注目されている栄養素に「ビタミンD」があります。

英国の研究では、ビタミンDのサプリメント摂取によって、

かぜやインフルエンザの罹患を300万例以上、

減らすことができるとするデータが発表されたそうです。

ビタミンDといえば、骨粗しょう症の予防が有名ですが、

最近ではうつ病を予防する働きや免疫力を高める効果もわかってきています。

ビタミンDは、食事からも摂取できますが、

日光に含まれる紫外線を浴びることで、体内にビタミンDが生成されるといいます。

青空のもとでウォーキングをすることで、ビタミンDが生成されて、免疫力もアップ。

 

メンタル面と体の健康を保ちつつ、インフルエンザ対策もできる――

ウォーキングの習慣は、一石二鳥どころか、まさに一石三鳥にも四鳥にもなりそうですね。

 

 

<参考URL>

*「口腔ケアで感染予防」日本訪問歯科協会

http://www.houmonshika.org/oralcare/c121/

 

*「ビタミンDのサプリ、かぜ・インフル予防に有効」(BBC News Japan)

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-38989446

 

*「猛威振るうインフル 歯磨き徹底で感染率10分の1になる例も」(NESポストセブン)

http://www.news-postseven.com/archives/20140125_238178.html

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。