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【New】加熱式タバコなら受動喫煙は大丈夫?

禁煙の波に押されて、紙巻タバコから加熱式タバコに替える人が少なくないそうです。

加熱式タバコは紙巻タバコと比べて煙も出ず、においも少ないとされています。

はたして受動喫煙の心配もいらないのでしょうか?

 

加熱式タバコをご存知ですか?

加熱式タバコとは、紙巻きタバコのようにタバコの葉に直接火をつけるのではなく、タバコの葉を加熱するタイプのタバコ製品です。

タバコの葉を燃やさないので煙が出ず、臭いも少ないため喫煙者の間で普及しつつあるようです。

 

来年から加熱式タバコも規制の対象に

飲食店でも、店内は禁煙。

でも、加熱式タバコなら店内でもOKとしているところがあります。

しかし、来年4月から全面施行される改正健康増進法では、加熱式タバコも紙巻きタバコと同様に規制の対象となります。

ただ、紙巻タバコと比べると規制はゆるやか。

改正健康増進法が施行されると、紙巻タバコは、飲食をすることができない「喫煙専用室」でしか吸えなくなります。

一方加熱式タバコについては喫煙室のほかに、「加熱式タバコ専用喫煙室」を設ければ、その中で飲食することはできるとしています。

つまり、 紙巻タバコほど、規制が厳しくないのは、加熱タバコはまだ歴史が浅く、紙巻タバコほど受動喫煙の害があきらかになっていないことにあるようです。

 

気になる加熱式タバコの健康リスク

しかし、加熱式タバコにもニコチンや発がん性の有害物質が含まれているため、専門家は健康へのリスクを懸念しています。

たとえば、日本呼吸器学会では、「新型タバコは受動喫煙の危険がない」、「従来の燃焼式タバコより健康リスクが少ない」など誤認されているため、新型タバコの国民健康に対する影響や社会的な影響を憂慮しているとし、学会としての見解を出しました。

それによると、「新型タバコは紙巻きタバコと比べてタールが削減されているが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品である。したがって使用者にとっても受動喫煙する人にとっても、加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できない」としています。

 

複数の医学会が健康リスクを懸念

また、日本禁煙学会は「加熱式タバコは普通のタバコと同様に危険。受動喫煙で危害を与えることも同様である」と警告。

日本禁煙推進歯科医師連盟では、「加熱タバコはタバコ製品。加熱タバコからもさまざまな毒物が検出されている。紙巻きタバコよりも、本人や周囲に影響がないと宣伝されているが、この宣伝には医学的根拠はない」など、加熱タバコに対する注意喚起文書と啓発チラシをだしています。

 

他人に与える影響はゼロではない!?

加熱式タバコから出る蒸気は、ただの水蒸気ではなく、エアゾルとよばれるもので、ホルムアルデヒドなど発がん性の物質や有害物質が加熱式タバコのエアロゾルから検出されていると専門家は指摘します。

自分や家族の健康を考えて、紙巻きタバコから加熱式タバコにがんばって替えた喫煙者の方も多いことと思います。

けれども、形は違えどもタバコはタバコ……。

喫煙者の方には、加熱式タバコは自分にとっても周囲の人にとっても「安全な嗜好品ではない」ことを知ってもらえるといいな、と思っています。

 

 

<参考URL>

*「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解」

http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf

 

*「【加熱式タバコ】緊急警告! を掲載致しました」(日本禁煙学会)

http://www.jstc.or.jp/modules/information/index.php?content_id=119

 

*「加熱タバコに関する注意喚起文書と啓発チラシ」(日本禁煙推進医師歯科医連盟)

http://www.nosmoke-med.org/682

 

*「受動喫煙対策」(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。