子どもの受動喫煙
子どもの受動喫煙の被害は、大人より深刻だといわれています。今回は子どの受動喫煙について考えてみました。
コロナの影響で受動喫煙も増加?
新型コロナウイルスは私たちの生活にさまざまな影響を及ぼしましたが、喫煙もそのひとつ。
テレワークや在宅勤務や自宅で過ごす時間が増えことにより、これまで以上に喫煙量が増えた人、またせっかく禁煙をしたのに喫煙を再開した人もいるようです。
それにともなって、家族が吸うタバコの煙を吸わされる受動喫煙にあう人が増えているといわれています。
副流煙に含まれる有害物質
ご存じの人も多いと思いますが、喫煙者のタバコからたちのぼる「副流煙」は、喫煙者が吸っている主流煙よりもずっと多くの有害物質が含まれています。
厚生労働省によると、主流煙を1とすると、副流煙にはニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素は4.7倍も多くみられるそうです。
日本では受動喫煙によって年間約1万5千人が死亡すると推計されています。
深刻な子どもの受動喫煙
大人にとっても深刻な受動喫煙ですが、成長段階にいる子どもはさらに大きな影響を受けやすいといわれています。
例えば、こんな調査結果があります。千葉県千葉市では受動喫煙による子どもの健康被害を防止する取り組みの一環で市内の小学4年生を対象に受動喫煙の影響調査を実施しています。
調査によると、家庭内の喫煙状況などを問うアンケートを行って保護者が希望した児童に尿検査を行った結果、2019年~2021年度に行った3回の調査では、尿中のニコチン代謝物質の濃度が一定程度高かった児童の約9割に喫煙者の同居家族がいたと発表しています。
子どもの受動喫煙を防ぐために
換気扇の下やベランダ、喫煙所などでタバコを吸っていたとしても喫煙者の吐く息や衣服などからも有害物質が放出されていることがわかっていますから「子どもの前ではタバコを吸っていないから大丈夫」ということにはなりません。
また電子タバコも副流煙のリスクがあるとされています。
自分の健康はもちろん子どもや家族に与えるタバコの害を考えるなら、やはりきっぱりと禁煙をしたいものです。
なお、両親がタバコを吸わなくても、外出先などで子どもと一緒に受動喫煙の害にあうこともあります。
望まない受動喫煙をしないためにも、タバコの煙が流れてこない環境に身を置くことを心がけましょう。
<参考>
※「子どもの受動喫煙防ごう」(東京新聞/2022.12.6)
※「親の喫煙 子に影響 尿検査で意識変化も 千葉市が小4調査」(千葉日報オンライン/2021.9.20日)
※「子どもを受動喫煙から守りましょう」(千葉市)
※「こどもの受動喫煙を減らすための提言」 (日本小児科学会)
※「喫煙・受動喫煙の害について知ろう・伝えよう」(一般社団法人 禁煙推進学術ネットワーク)