生理前から生理中はなぜ眠い?
生理前から生理中にかけて、やたらと眠くなったりすることはありませんか?
女性ホルモンの変動はどうやら睡眠にも関係しているようです
女性ホルモンの影響で「守りモード」に
生理前や生理中は、さまざまな不調が起こってきますが、この期間は眠くてしょうがないという声もよく聞きます。
頭痛や下腹部痛ほどの不調ではないけれど、仕事中眠くて、あくびが止まらないのも困ってしまいますね。
でも、なぜこんなに眠いのでしょう。
生理前や生理中の眠気に大きく関係しているのが、女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)なのだそうです。
エストロゲンが女性を元気にするホルモンなら、妊娠を助けるために働くプロゲステロンは、女性を守りモードにするホルモンだといえます。
そのため、排卵後にプロゲステロンが高まってくると、肌の調子が悪くなったり、むくみやすくなったり、ボーッとしたりするといわれています。
妊娠初期と似たような状態に
また、プロゲステロンは体温を上げる作用があるため、プロゲステロンの分泌が高まる時期は体温が上がります。
睡眠と体温には深い関係があって、深部体温(体の内部の体温)が低くなるほど眠りにつきやすいことが知られています。
こうしたことから、プロゲステロンの高まる時期は体温が上がるので、眠つきが悪くなったり、眠りが浅くなって、日中眠くなるのではないかといわれています。
ところで、プロゲステロンの分泌が高まる妊娠初期も、強い眠気が起こることで知られています。
つわりの1種とされていて「眠りつわり」と呼ばれているようですよ。
眠気覚ましのあれこれ
眠いときは、寝てしまうのに限りますが、仕事をもっているとそうもいきません。
仕事中眠くなったら、席を立って歩きまわれればよいのですが、しょっちゅう席を立ちにくい場合は、眠気覚ましにガムを噛んだり冷たい水を飲むといったこともよく利用される方法ですね。
ほかにも、冷たい水で手を洗ったり、手のひらのグーパーすることも効果があるといわれています。
睡眠の質をよくする工夫
眠りの質をよくするためには、以下の事を心がけてみましょう。
(1)朝日を浴びて体内時計を整える。
(2)寝る前スマホはやめる。
(3)就寝2時間前に湯船につかって、寝る時間帯に深部体温が下がるようにする。
(4)体を動かすことも有効。ただし、筋トレやジョギングなど激しい運動は就寝2時間前までに。それ以降は、ヨガやストレッチなどリラックスを目的とした運動がおすすめだそうですよ。
体調の波を上手に乗り切ろう
生理前~生理中は、女性ホルモンのプロゲステロンのせいで、イライラしたり仕事のパフォーマンスも落ちがちです。
こんなときは「できない自分」にカリカリせず、体が守りの時期に入ったことを自覚して受け入れることも必要なのかも。
リラックスを心がけ、ふだんより少しペースを落としてみませんか?
<参考>
*第17回プラスウェルネスセミナー
<参考URL>
*「女性の睡眠障害」(e-ヘルスネット 厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-005.html