生理はつらくてあたりまえ?
女性なら生理痛はがまんするもの、などと思っていませんか?
でも、本来の生理痛はそれほど痛みを伴うものではないといわれています。
つらい生理痛はありませんか?
生理中に痛み止めが手放せない
生理のたびに生理痛に悩む女性は少なくありません。
ある調査によると、約4割の人が生理痛がつらいと感じていて、4人に1人が生理中は痛み止めが手放せないと回答しています。
生理のつらさの対処法として最も多かったのが、市販の痛み止めの服用。次いで、症状が出ても我慢しているという回答でした。
また、半数以上の人が婦人科を受診せず、その理由は、「医療機関に行くほどのことではないと思うから」という回答が最多でした。
つらい生理痛は病気の可能性も
そもそも生理痛は、子宮を収縮させて経血を押し出すときに起こる痛み。
多少の痛みは生理的な現象だといわれていますが、月経痛がつらくて仕事や日常生活に支障が出る場合は、月経困難症の可能性があるといわれています。
また、月経困難症の原因となるものに「子宮内膜症」や「子宮筋腫」などの婦人科の病気があります。
どちらも20~30歳代の女性多くみられる病気です。
子宮内膜症は20代から30代の女性の10人に1人にみられるといわれており、子宮筋腫は小さなものも含めると、30歳以上の女性の20~30%にみられるといわれています。子宮内膜症も子宮筋腫も誰でもかかる可能性がある身近な病気のひとつといえます。
どちらの病気も月経がつらいだけでなく、将来の不妊の原因になることが知られています。
さまざまな影響を及ぼす婦人科の病気
「私は将来子供を持つ予定がないから大丈夫」と思う人もいるかもしれません。 けれども毎月生理のたびに苦しい思いをするだけではないのです。
例えば子宮内膜症は、ほうっておけば排便痛や性交痛が起こるなど、日常生活に大きな影を落とします。
さらに月経血が多い過多月経による貧血も大きな問題となります。
また子宮内膜症が卵巣にできるとチョコレート嚢胞(のうほう)といいますが、チョコレート嚢胞の一部が卵巣がんに変化する可能性があるといわれています。
生理がつらいと感じたときは、がまんしたり放っておいてはダメ。婦人科を受診しましょう。
かかりつけの婦人科があると心強い
婦人科受診は妊娠したときだけ、と思っている人も多いかもしれません。でも妊娠・出産は婦人科の役割の一つでしかありません。
女性の体をトータルに診てくれる婦人科は、女性にとって心強い味方。将来やってくる更年期や老年期まで、婦人科とは一生のお付き合いになります。
婦人科を受診して、生理の悩みや避妊についても気軽に相談できる、かかりつけ医が見つかるといいですね。
<参考>
※「婦人科の病気」(日本産婦人科学会)
※「子宮内膜症(卵巣がんとの関係について)」(日本婦人科腫瘍学会)
※「働く女性の心とからだ応援サイト」(厚生労働省)
※『ウィメンズメディカ』(小学館)
※『子宮内膜症』(小学館 武谷雄二監修)