プラスコラム
PLUS COLUMN

あふれる「怒り」をコントロールするって?

思わず大声で怒鳴ってしまった、怒りの感情を抑えることができずひどいことをいってしまった……そんな経験をした人は多いかもしれません。

「怒り」があふれているように思える今の社会。

怒りをそのまま誰かにぶつけることなく、うまくコントロールすることはできないのでしょうか?

 

今の社会は「怒り」に満ち満ちている?

たとえ聖人君子といえども、怒りの感情を抑えるのはむずかしいかもしれません。

とはいっても「怒り」が原因だと思われるような事件があまりにも頻繁に報道されていると思いませんか。

たとえば車の割り込みに腹を立てたことによるあおり運転とか、コンビニで店員に土下座謝罪を強要する、歩きスマホをする人へ暴力をふるう、「ガンつけた」といって殴る蹴る、道路や電車内で見知らぬ人からいきなり理由もなく殴られたり小突かれるといった、常識ではちょっと考えられないような出来事が後を絶たないようです。

多くの人がストレスをかかえている社会ということなんでしょうが、それにしても自分の「怒り」を他人への暴力に向けてしまう短絡さに驚いてしまいます。

 

「怒り」のもとは価値観の違い?

「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことがあると思います。

新聞などの報道によれば、自分の「怒り」に上手に対処するため、企業や学校で「怒り」を学び、コントロールしようとする動きが盛んだそうです。

そもそも「怒り」は人間にとって自分を守るための自然な感情といわれます。

でも、それが暴力的な言葉や物理的な暴力となってあらわれるとき、相手を傷つけるのはもちろん、相手の「怒り」をも引き出してしまうことだってあるでしょう。

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会によれば、

「『怒り』の感情は、自分と価値観の違った場面に出合ったときにあらわれる」のだそうです。

 

自分の「べき」は相手の「べきでない」?

「~すべき」とか「~すべきではない」という価値観の相違、よくありますよね。

たとえば「仕事はこうするべき」といったもの。

自分にとっては当たり前のことが、別の人の違う価値観によって否定されると「怒り」がわいてくるらしいです。

では「怒らない」ことが怒りの対処法かというとそうではないようです。

「怒り」は自然な感情なので否定せず、怒りと上手に付きあえということらしいのですが……。

怒ってもいい、うまく付き合え、って?……つまり、とても簡単にいえば、後悔するような怒り方をしない、必要のないことは怒らないということのようです。

 

ちなみに次のような怒り方は要注意だそうです(参考:東京新聞サンデー版)。

(1)いつまでも根に持つような怒り方

(2)小さなことでも激しく怒る

(3)他人や自分を傷つけたり、ものに当たる

(4)常にイライラしている

……どうです、思い当たる「怒り」ありますか?

 

<参考資料>

*「アンガーマネジメント」(東京新聞サンデー版/2019年4月21日)

 

*「アンガーマネジメント入門」(朝日文庫)

 

<参考URL>

*「怒りと上手にお付き合い」(西日本新聞)

https://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/428557/

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。