
「怒り」と上手に付き合う?
イライラしたり、文句をいったり……気がついたら相手を怒っていたというようなことありませんか?
怒りは人間の原始的な感情の1つといわれています。
うまく怒りと付き合う方法はないものでしょうか?
「怒り」が生活空間に満ちている?
「腹の虫が収まらない」「腹がたつ」「プッツンする」「きれる」「頭にくる」「逆上する」「柳眉を逆立てる」等々、「怒り」を言い換える言葉はたくさんあります。
何かとストレスが多いといわれる現代社会ですが、怒りに任せて他人を傷つけてしまう犯罪的行為もよく報道されます。
アパートの生活騒音にまつわる近隣トラブル、電車の中での迷惑行為が原因の口論、コンビニや飲食店での店員の態度に立腹して悪態をつく客など、様々な理由から怒りの虫が突然、暴れだしてしまうようです。
職場も例外ではないでしょう。
仕事が遅いとか、書類の間違いが多いとか、指示どおりになぜできないとか……怒りの虫は社内のあちこちをブンブンと飛び回っているかもしれません。
テレビでも怒りをネタというか自身の売りにしている芸人さんもいます。
怒りは広く社会に浸透しているようです。
怒りをコントロールできない人が増加?
アンガーマネジメントという言葉も最近、よく聞かれるようになりました。
怒りをコントロールするための講座やセミナーが開かれ盛況らしいです。
怒りをコントロールできない、自分の感情を制御できない人が増えているということの反映なのでしょうか。
そういう意識で自分のまわりを見回してみると、街で怒りに満ちた表情で睨まれた、怒りに任せた(と思われる)行為にいきなり遭遇したといった声が多いことに驚かされることがあります。
あおり運転のもとは怒り?
例えば、すれ違いざま体をぶつけられたり、「じゃまだ、どけ!」と後ろから罵られたり、クラクションを鳴らされたりといったことは特別なことではなく、今のストレス社会では珍しいことではないのかもしれません。
いっとき盛んに報道された「あおり運転」も、当時は怒りをコントロールできないことと結びつけて語られていたようです。
ちなみに警察庁によると2019年のあおり運転などによる道路交通法違反(車間距離保持義務違反)の取り締まり件数は、前年よりも2040件、約16%増の1万5065件あったそうです。
怒りの賞味期限切れを待つ?
怒りを抑えるにはどうすればいいのでしょう。
深呼吸すればいいとか、頭の中で数秒かぞえるのがいい、その場から立ち去る、空を見上げるなど、いろいろいわれているようです。
一方、怒りにも賞味期限があるようです。
つまり時間の経過によって怒りが薄まってくることに期待するというのは、消極的すぎる方法でしょうか。
また脚本家の向田邦子さんは、道を歩くときは「イライラしないために、遠回りを承知で混まない道を歩くようにしていた」そうです。
新聞に出ていました(東京新聞/2020.2.16)。
「君子危うきに近寄らず」という格言にも通じる賢い選択ですね。
記事によると向田さんは自分の性格を「せっかち」と見抜いていたようです。
怒りのコントロールを考えるには、まずは自分をよく知るということが大切かも。
「自分のことは自分が一番知らない」ということがよくいわれています。
意外と効き目あるかもしれませんね。
<参考資料>
*東京新聞「筆洗」/2020年2.16