そのお疲れの原因。甲状腺の病気かも?
働く女性はいつもお疲れ気味。
でも、十分に休みをとっていくら寝ても疲れがとれなかったり、無気力が続くという場合は、意外な病気が隠れていることがあるといいます。
元気の源となるホルモン
甲状腺といってもふだんはあまり意識することがないかもしれません。
甲状腺は、のどぼとけの下にある蝶が羽を広げたような形をした臓器のこと。
甲状腺いって体全体の新陳代謝を促すホルモンを分泌しているところです。
甲状腺ホルモンというのは「活気のホルモン」といわれていて、自動車のアクセルに例えられることが多いようです。
車は、アクセルとブレーキのバランスがよいときは走りもスムーズですが、そのバランスが崩れると車はスムーズに走れません。
甲状腺ホルモンの分泌量もそれと同じで、多すぎても少なすぎても体にさまざまな不調があらわれてくるといわれています。
甲状腺ホルモン過剰であらわれる症状
甲状腺ホルモンが過剰になると……
・疲れやすい
・イライラする
・怒りっぽい
・心臓がどきどきする
・食欲があって十分に食べているのにやせる
・暑がりで汗かきになる
などの症状があらわれるといわれます。
甲状腺が過剰につくられてしまう「甲状腺機能亢進症」の代表的な病気は「バセドウ病」といわれる病気です。
20代~30代の若い女性に多いといわれています。
この病気は、いわばアクセル踏みっぱなしの状態。疲れやすくなって心臓に負担がかかったりするそうなのです。
甲状腺ホルモンの不足であらわれる症状
逆に、甲状腺ホルモンが不足する病気もあります。甲状腺機能低下症というものです。
・寒がりになる
・皮膚がカサカサかわいた状態になる
・気力がなくなる
・食欲がないのに太る
・眠くて体がだるい
などの症状があらわれることが知られています。
代表的な病気は橋本病で、30代~40代に多いといわれています。
間違われやすい病気
甲状腺の病気はときに別の病気に間違われることがあるといいます。
たとえばイライラや疲れやすさ、暑がりなどの症状は産後の不調や更年期障害に、また、だるい、無気力といった症状はうつ病と間違えられることがあるそうです。
20代~40代の女性に多い
甲状腺の病気は女性に多い病気です。
20 代から40代の女性では、10人にひとりは橋本病やバセドウ病など、甲状腺の病気や異常をもっているといわれているそうです。
体調不調が続くときには、「疲れているからだろう」などと放っておかず、この病気を疑ってみてもよいかもしれませんね。
なお、日本甲状腺学会の認定専門医施設、認定専門医は、同学会のホームページ(http://www.japanthyroid.jp/public/index.html)
で検索できます。
<参考図書>
*家庭の医学(小学館)
<参考URL>
*「内分泌の病気」(日本内分泌学会)
http://www.j-endo.jp/ippan/contents/03_disease.html
*「あまり気づかれない甲状腺の病気」(福山医師会)