プラスコラム
PLUS COLUMN

若い世代も要注意 酷暑今夏は、夜間熱中症にご用心

熱中症というと昼間炎天下のもとで起こるイメージがありますが、

夜間、睡眠中にも発生することをご存知ですか?

夜になっても暑さが続く今夏は特に注意が必要です。

 

夜の室内は外気温より高温に!?

連日の猛暑日で、このところ夜間でも25度を下回らない熱帯夜が続いていますね。

ダブル高気圧の影響で、この暑さしばらくは終息しないとの予報が出ているようです。

こんなときに気をつけたいのが、睡眠中に起こる夜間熱中症。

とくに集合住宅では、昼間ため込まれた熱が室内に放射されて、外の気温が下がる夜になっても、室温はほとんど下がらず、外気温よりも室温のほうが高い状態であることが少なくないのだそうです。

東京都内で熱中症で亡くなられた方の約4割は、夜間に亡くなったという統計もあるようです。

 

 

「自宅でまさかの熱中症」の危機

昼間の熱をため込んでしまいがちな室内で、快適に眠るには、

エアコン利用が大きな決め手となります。

でも節電のためにエアコンを使わなかったり、何よりエアコンそのものが苦手で

寝るときにはエアコンを切る人という人もいるかと思います。

けれども、熱中症のことを考えると、室温28℃以上か湿度70%以上の寝苦しい夜は、

寝ている間もエアコンを使ってほしいと専門家は提言します。

タイマー利用だとタイマーが切れたあとに再び室温が上がってしまうので、

眠る前にエアコンをかけて室温を下げて、睡眠中は少し高めの室温設定で。

エアコンの室温設定は26℃~28℃くらいが快眠につながるといわれています。

エアコンが苦手な人は、体に直接風が当たらないようにして上手に扇風機を使って、

睡眠環境を整えることをおすすめします。

またすだれやよしずなどを上手に使って昼間の直射日光を防ぐことで、

夜の部屋の室温を下げることができるそうです。

すだれやよしずは見た目にも涼やかですね。

 

寝る前の水分補給は大事なポイント

夜間熱中症対策でもう1つ大切なのが、水分補給だといいます。

人は寝ている間もコップ1杯程度の汗をかくといわれていますが、

寝苦しい夜はなおさら大量の汗をかきます。

寝ている間は水分補給ができないので、水分補給をしないで寝てしまうと

身体から水分が失われて脱水状態になりやすいそうです。

夜中にトイレで目覚めるのが嫌で、睡眠前に水分を控える人がいますが、

寝る前にはコップ一杯程度の水を飲むことを習慣にするとよいそうです。

 

水分補給は、チビチビゆっくり飲みがコツ

ところで、寝る前の水分補給は、冷たい水を一気に飲むのではなく、

常温の水をちょっとずつ飲むことが推奨されています。

一度に大量の水を飲むと、急に体液が薄まるために、尿として出てしまうのだそうです。

夜中に目が覚めてトイレに行くときも、こまめな水分補給を怠りなく。

 

寝苦しい夜を上手に乗り切って睡眠の質をよくすれば、翌日の仕事のパフォーマンスも上がります。

熱中症対策を兼ねて、もう一度、眠る環境を見直してみませんか?

 

 

 

<参考URL>

*夜間も熱中症に警戒を! 夜間でも30度超えの所も(NHK NEWS WEB)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180719/k10011540061000.html

 

*「近年急増中の”「新型熱中症を徹底検証!」(「みんなの家庭の医学」コミコミクリニックアーカイブ ABC TV)

https://www.asahi.co.jp/hospital/archive/broadcast/2011_0719.html

 

*「体温調節における発汗の意義」(KAOヘルスケアリポート/花王健康科学研究会)

https://www.kao.co.jp/rd/healthcare/activity/healthcare51_03.html

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。