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美容皮膚科の上手なかかり方

医療は医師と患者の二人三脚で進めていくもの。患者側も積極的に医師とコミュニケーションをとる努力が必要です。今回は、美容皮膚科を選ぶときのポイントと、上手なかかり方のポイント教えます。

美容皮膚科を選ぶときのポイント

経験豊かな医師が安心。まずは情報を集めよう!

受診して、いきなり施術を行うことはありません。治療の前にはカウンセリングを行います。その際、治療内容やリスクやデメリットもしっかり説明してくれることが大事です。また、こちらの質問にも具体的に答えてくれる医師が理想的といえます。
また、よいクリニックかどうかは、医師との相性や個人の価値観も考慮する必要があります。受付の対応やクリニックの雰囲気などもあわせて考えて、自分によいと思われるクリニックを選びましょう。
 

リスクやデメリットをしっかりと説明してくれるか。

ボトックスやヒアルロン酸の注入は、気軽にできる「プチ整形」ですが、施術の出来栄えに差がでることもあります。たとえばボトックス注射では、注入量や注入する場所が適切でないと、表情が乏しく能面のような顔になったり、笑顔が不自然になるなど、不本意な結果に終わることがあります。


また、ヒアルロン酸の注入も、おでこの下などは入れやすいのですが、目の下に入れる場合は、熟練した医師にお願いしましょう。
あとでがっかりしないためにも、多くの症例数をこなしている経験の豊かな医師を選ぶことが大事です。クリニックのホームページをチェックしたり、口コミなども参考にして情報を集めましょう。また、美容皮膚科の多くは自費診療です。料金体系などもしっかり確認しておくことが大事です。

上手なかかり方のポイント

劇的な変化を期待しすぎないこと

美容皮膚科に限らず、医療は同じ治療をしても成果が同じとは限りません。たとえば、うちのクリニックでもしみやそばかす、にきび跡などさまざまなトラブルに対して光治療を行っていますが、もともとの皮膚が弱っているとその効果が出にくくなります。また、1回目の治療では大きな変化があったけれど、2回目の治療は変化が出にくいなど、その人のコンデションによっても変わります。
治療で100%よくなる、劇的に変わるわ、と思って期待しすぎると、その通りにいかないこともあるということを知っておきましょう。

施術にともなうリスクや注意点を聞き流さないこと

インフォームドコンセントといって、医師は患者に対して治療の説明義務があります。
おそらく、美容外科でも、たとえば二重まぶたにするといったときに、画像を出して説明するか、実際にまぶたにしわをつくって、こういう感じになりますと具体的な形で見せてくれるはずです。
また、それにともなって起こるリスクや副作用なども必ずしっかりと説明するはずです。


ところが、美しくなることだけに心を奪われて、それにともなうリスクや注意点についてはきちんと聞いていない患者さんが少なくありません。その結果、あとになって不満が出てくることがあります。
また、ヒアルロン酸やボトックス注入などは、体内に異物を注入するので、まれにアレルギーを起こしたり、膠原病など免疫系の過剰反応を引き起こすこともあります。
医師の説明をしっかり受けて、治療によるメリットもリスクもきちんと把握したうえで、納得して治療を受けてください。

トラブルが起こったときは、施術をしたクリニックにまず相談を

治療を受けてトラブルがあると、すぐに別のクリニックに行く人が多くいます。しかし、最初にどのような治療をしたかがわからないと、相談を受けた医師も対処に困ることがあります。
施術したクリニックに行きにくい気持ちはわかりますが、トラブルが起きたときは、まずは施術を受けたところに相談するのがいちばんです。それでも解決しないときは、皮膚科や形成外科に行って、自分はどうしたいのかという希望を伝えて、医師と話し合いながら治療を決めていきましょう。


なお、たとえば不都合が起きた時などに、プチ整形を受けたことを隠して耳鼻科や皮膚科を受診されることも多く、医師が診断に迷うことがあります。施術を受けたことを必ず正直に伝えてください。
納得のいく治療を受けて、いつまでも美しく輝いてください。

プロフィール

平田 雅子 先生
皮膚科医
平田 雅子 先生

私のクリニック目白 院長 日本大学医学部卒。皮膚科専門医。

東京医科大学、同大学八王子医療センターを経て、2003、10月から現職。
女性専門医療の第一線で活躍中。
女性医療ネットワーク理事。
日本医師会産業医。
女性の悩みをきちんと聞くことを心がけた診療に定評がある。

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