プラスコラム
PLUS COLUMN

気になる手のひび・あかぎれ

冬は手荒れの季節。今回は、手荒れの代表ともいえる「ひび」「あかぎれ」のお話です。 

 

多くの女性手荒れに悩んでいる 

顔や髪以外にも意外と他人から見られているパーツが「手」なのだそうです。いつも潤いをキープしていたいけれど、寒い季節は手荒れに悩む女性が急増します。 

中でも痛くてつらい思いをするのが、ひびとあかぎれです。 

株式会社池田模範堂が20代~60代の一般主婦500名を対象に行った調査では、全体の7割以上の人が「冬場の手荒れ(ひび・あかぎれ)が気になる」と回答しています。 

さらにひび・あかぎれに悩む人の9割以上は皮膚科へは行かずに市販のハンドクリームや治療薬で対応。全体の半数以上が「何度も繰り返して、なかなか治らない」と回答しました。 

 

ひび・あかぎれとは? 

 でもひび・あかぎれとはどのような状態をいうのでしょうか? 

ひびは、皮膚にできた細く深い線状の亀裂のこと。そのひび割れが悪化して深くなり、皮膚の奥の真皮まで達したものをあかぎれというそうです。 

 ひびもあかぎれも皮膚がパクッと割れて、見た目が痛々しいだけでなく真皮にまでひびが達すると、水がしみたりちょっとした刺激でも強い痛みを覚えるようになります。 

 

なぜ起こる? 

 原因は空気の乾燥による水分不足です。 

気温が低下し寒さで血液の循環が悪くなると、体のすみずみに栄養素などが届きにくくなり、肌も乾燥しやすくなります。そのうえ健やかな皮膚を保つのに必要な「バリア機能」も低下してしまいます。 

皮膚のバリア機能が低下するとちょっとした刺激でも肌荒れしやすく、しかも治りにくくなるといわれています。 

い時期でなくても、洗剤やシャンプーなどの刺激に頻繁な手洗いが加わると手の皮脂がなくなって手荒れが起こるそうです。 

 

セルフケアは? 

 手荒れは、早めに治すことが大事なポイント。以下のセルフケアを心がけてみてください。 

(1)ハンドクリームで徹底的に保湿する 

何より大事なのが保湿です。手洗いの後や手を使う作業の前、入浴後などにこまめな保湿を忘れずに。 

また、意外と手荒れの原因になりやすいのが、紙や布類。手肌の水分を奪ううえに摩擦などの刺激も肌にとってはダメージになるそうです。 

の整理や洗濯物を干したり畳んだりするときには、作業前にしっかりハンドクリームを塗って、手指を保護しましょう。 

 

(2)ハンドクリームを塗るときはしっかり、たっぷりと 

ハンドクリームを塗っているのに手荒れがなかなか治らないという人は、ハンドクリームの量が足りていないのかも。 

チューブタイプのハンドリームなら、指先から第1関節くらいまでが目安といわれています。手荒れのひどいときは第2関節までクリームの量を増やすといいといわれています。 

手荒れを治すにはたっぷり塗ることポイントのようです。 

 

(3)手洗いのあとは水分をしっかり拭き取る 

 手を洗ったり、水仕事をしたあとは皮膚の水分をしっかり拭き取りましょう。 

皮膚が濡れたままになっていると、手に残った水分の蒸発とともに、皮膚を保護している油分や皮膚の水分までもが一緒に蒸発して乾燥しやすくなります。 

また手に付いた水分を拭き取るときは、ゴシゴシこすらずにやさしく押さえるようにして水分を拭き取るとよいそうです 

 

(4)熱いお湯に注意 

熱いお湯で手を洗うと皮脂が失われて乾燥を招きやすくなるのでご用心。食器洗いの際は、ゴム手袋が必須です。入浴時も熱いお風呂に長時間つからないように心がけて。 

 

 なお、ひび・あかぎれが気になるときは、痛みやかゆみ、炎症を抑えたり、ひびわれ・あかぎれの修復を早めたりする市販のクリームや軟膏を使ってみましょう。それでも治らないときには、皮膚科の受診が早道です。 

 

<参考> 

「足のひび割れ・手のあかぎれ 予防法、対処法、角質ケア、保湿クリーム」(NHK健康チャンネル NHK) 

※「皮膚のトラブルケア」(ロート製薬株式会社) 

※「肌育研究所」(ユースキン製薬株式会社) 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。