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食物繊維は炭水化物の仲間って本当?

知ってるようで知らない?!食物繊維のこと

 

その1:食物繊維は炭水化物の仲間って本当?

炭水化物 = 糖質 + 食物繊維


ブドウ糖などの単糖類が真珠のネックレスのようにつながったものが炭水化物で、

その中でも消化・分解されてエネルギー源となるのが糖質です。

逆に、同じように糖がつながっているにもかかわらず、消化・分解されずに腸まで届き、

腸内の善玉菌を増やしたり腸内環境を整える働きがあるのが食物繊維。

同じように糖がつながったものなのに、体への作用が全く違うのが特徴です。
結合のしかたが違うため、消化されにくい性質を持つのです。

〔食物繊維の性質を決めるものは?〕
(1)糖からできた鎖の「長さ」
(2)糖からできた鎖の「枝分かれの多さ」

鎖が長いほど分解されにくく、枝分かれが多いほどその中に水を抱き込んで水に溶けやすくなる性質があります。

 

 

その2:食物繊維はカルシウムや鉄などのミネラルの吸収を抑えるって本当?

食物繊維はカルシウムや鉄などのミネラルの吸収を抑えるといわれていましたが、

それは人が普段食べる量とかけはなれた大量の食物繊維を毎日与えた実験結果をもとにしたもので、

通常食べている量の食物繊維ではそのようなことはありません。

逆に、適正な水溶性食物繊維やオリゴ糖の摂取は、カルシウムや鉄の吸収を良くすることが知られています。

 

日本人の食物繊維目標摂取量は、男性20g以上/日、女性18g以上/日。
実際の平均摂取量は、男性14.2g/日、女性14.6g/日(平成25年度 国民健康・栄養調査より)と、

毎年不足が深刻な状況です。

食物繊維は、腸内環境を改善する働きのほか、血糖値の上昇抑制、コレステロールなどの脂質の

上昇抑制、肥満抑制効果など、様々な健康効果が期待され、現在不足が深刻なのが食物繊維。

研究結果を正しく判断することが大切です。

 

 

その3:実は2つある!?「食物繊維」の定義

食物繊維には、実は2種類の定義が存在します。そのため複雑になっています。


1つは「食品成分表」や「日本人の食事摂取基準」に用いられている『食物繊維』。

プロスキー変法という測定方法で測定された水溶性と不溶性の『食物繊維』のこと。

2つめは、商品パッケージなどにある「栄養表示」に用いられている『食物繊維』。

上記の水溶性と不溶性の『食物繊維』のほか、『オリゴ糖』や『難消化性デキストリン』などの難消化成分も含まれます。

 

(1)「食品成分表」「日本人の食事摂取基準」に用いられている『食物繊維』
= ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化成分の総称。(食物繊維、レジスタントスターチの一部)

 

(2)栄養表示基準に用いられている『食物繊維』
= ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化成分の総称。

ただし、3種類以上の糖がつながった難消化性成分(オリゴ糖など)も含む。

(食物繊維、レジスタントスターチの一部、オリゴ糖、難消化性デキストリン)

 

※栄養表示についての見直しがされ始めている今、今後は統一される流れもあり、

今後は(1)のみ「食物繊維」として用いられる動きもでてくる可能性があります。

 

出典元:Mykinsoラボ https://lab.mykinso.com/

 

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