プラスコラム
PLUS COLUMN

ウォーキングは、 メンタル不調にも効く?

雪や冷たい風が骨身に沁みるこの季節。 

日照時間の少ない冬は、気持ちがモヤモヤして、

落ち込みやすい時期でもあるようなのです。

 

心を安らかにする「セロトニン」不足?

気持ちが安定して心穏やかに過ごせたり、

反対にイライラがつのって強い怒りがわいてきたり……

私たちの心の中で沸き起こるさまざまな感情は、

脳内ホルモンの働きが密接に関係しているといわれています。

 

脳内ホルモンの中でも、心を癒し、心に安定感をもたらせて

力を満たしてくれる脳内ホルモンがセロトニンという物質。

うつ状態では、セロトニンの分泌が少なくなっているといわれています。

また、セロトニンは睡眠とも深いかかわりがあるといいます。

朝、目覚めとともに太陽の光を浴びてセロトニンがたっぷりつくられると、

夜は眠りを誘うメラトニンというホルモンが分泌されやすくなるのだそうです。

 

脳の健康維持に、科学的に認められているウォーキングの効用

日照時間が短い冬は、相対的にセロトニンの分泌が抑えられて、

ほかの季節と比べると不眠気味になったり、

うつっぽい気持ちになってしまうようなのです。

ぐっすり眠れて、気分を前向きにしてくれるセロトニンですが、

でも、どうしたらセロトニンに分泌を増やせるのでしょうか?

1つは、朝日をいっぱい浴びることだといいます。

また、セロトニンを増やすにはウォーキンなど、

一定リズムで体を動かす有酸素運動がよいことが知られています。

朝の通勤時に朝日を浴びながら、少し早歩きで駅まで向かう。

昼休みは、少し遠くの店まで歩いてランチをとる……

晴れた日は意識的に陽の光を浴びて、いつもより多めに歩いて、

セロトニンを活性化させましょう。

 

ウォーキングで記憶力が改善される?

ところで、近年は、ウォーキングなどの運動を習慣として行うことは、

うつに限らず、脳の健康を保つために、大変重要であることが、

科学的に証明されているそうです。

また、ウォーキングなどの運動により、

記憶力や思考力が改善することも多くの研究で確かめられているといいます。

なんだか気持ちが持ち上がらないなぁ、と思っているあなた。

ウォーキングでポジティブな元気脳をつくりませんか?

 

 

<参考資料>

*「いきいき健康脳」(東京新聞・2018年1月10日朝刊)

 

<参考URL>

*「うつ病の予防に週1時間の運動 ウォーキングは気分を明るくする」(糖尿病ネットワーク)

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027463.php

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。