プラスコラム
PLUS COLUMN

顔のたるみ対策をたてよう!

帰宅途中の電車の中、ふと見上げた窓に映った自分の顔が、疲れきってたるんでいて思わず「これ誰?」とギョッとしてしまったことはありませんか?
電車の中では蛍光灯の照明が真上から落ちるために、顔の凹凸がはっきりでて、顔のたるみが目立ちます。とはいえ、顔の老化現象の代表ともいえる顔のたるみ。なんとかしたいですよね!

年齢を感じさせてしまう「ほうれい線」

顔のたるみは、年齢とともに目やまぶた、あご、首などにあらわれてきますが、中でももっとも「老け顔」に見せてしまうのが「ほうれい線」かもれません。ほうれい線とは、漢字で書くと「法令線」とか「豊齢線」、「豊麗線」などと書きます。このほうれい線は、小鼻の両脇からくちびるの両端にのびる2本のしわのこと。若いときは、笑ったときに目立つくらいのほうれい線も、年齢を重ねるごとに深くくっきりと刻まれてきて、気になっているという方も多いことでしょう。


ほうれい線は、骨格や顔の筋肉の付き方によっても目立ちやすい人と目立ちにくい人がいますが、やはり大きく関係してくるのが表情筋の衰えです。表情筋とは、目や鼻、口などを動かす顔面の筋肉のことで、互いに作用しあって顔の複雑な表情をつくり出しています。この表情筋が老化によって衰えていくと、頬の肉を支え切れなくなり、重力によって頬が垂れ下がって、ほうれい線がくっきりはっきりと刻まれるようになってしまうのです。

表情筋を鍛えよう

加齢とともに衰えていく表情筋ですが、体の筋肉と同じように鍛えることが可能です。表情筋のトレーニングにはいろいろな方法がありますが、日常的にもっとも簡単にできるのは、食事を「よく噛んで食べる」ということです。よく噛むことで、口のまわりの筋肉がバランスよく鍛えらます。
歯科の先生によると、ガム(キシリトール配合シュガーレスガム)を1日20分程度噛むこともおすすめだそうです。噛んでいるときは、「唇を閉じて」「両側の歯を均等に使う」のがポイントだそうですよ。
また、口のまわりの筋肉は、入れ歯にすると一気に筋肉が落ちてしまいます。半年~年に1回は歯科検診に行って、お口の健康を守ることも「老け顔」予防につながります。

頭皮マッサージもおすすめ

また、ほうれい線対策にはマッサージも有効です。中でもおすすめしたいのが頭皮マッサージです。
でもなぜ頭皮マッサージなのでしょうか。
ふだん意識していないかもしれませんが、頭皮と顔の皮膚は1枚の皮膚でつながっています。ですから、→頭皮がたるんで下がれば←頭皮が硬くなって動きが悪くなると、顔の皮膚まで動きが悪くなって、当然ほおやあごまでたるんでくる可能性があります。
したがって、健康な頭皮をつくることが顔のたるみ予防にもなります。

疲れ目にも効果的なツボです。やさしく指圧していきましょう。

とくにデスクワークをしている人は、頭皮がカチカチにこって血行が悪くなっていることが多いので、積極的に頭皮マッサージを行いましょう。方法は簡単。指のはらで頭皮を持ち上げるようにしてゆっくりとマッサージします。毎日少しずつ、バスタイムなどを利用して行ってみてください。

そのほか、目の周囲のツボ押しもおすすめです。目の周囲のツボを押すときは、眼球に触れないように気をつけます。指の腹を使ってあくまでもゆっくりやさしく指圧していきましょう。

紫外線対策、保湿ケアも怠りなく

ほうれい線を防ぐには、肌へのダメージを減らすことも大事。とくに気をつけたいのが紫外線です。紫外線は、肌に直接ダメージを与え、体内に活性酸素を発生させて、肌のハリや弾力を保つのに必要不可欠なコラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。
肌のしわやたるみのいちばんの原因は紫外線の蓄積によるものだといわれていますから、季節に関係なく、万全の紫外線対策が必要です。


さらに、お肌の乾燥もほうれい線を深くします。今はどこにいっても空調の設備が整っているので、お肌は1年中乾燥した環境にさらされています。こまめに保湿をして皮膚の乾燥を防ぐことも大切なほうれい線対策です。
人は誰でも年をとり、老化していきますが、表情筋を鍛えたり、肌へのケアをきちんと行うことで、ほうれい線を目立たなくさせることは可能です。
「年だから」と諦めないで、毎日少しずつケアをしていきましょう。

プロフィール

平田 雅子 先生
皮膚科医
平田 雅子 先生

私のクリニック目白 院長 日本大学医学部卒。皮膚科専門医。

東京医科大学、同大学八王子医療センターを経て、2003、10月から現職。
女性専門医療の第一線で活躍中。
女性医療ネットワーク理事。
日本医師会産業医。
女性の悩みをきちんと聞くことを心がけた診療に定評がある。