
~資格試験勉強で活用しよう~ 記憶のしくみでみる「暗記のコツ」とは?
前回は、記憶には、個人的な経験の記憶である「エピソード記憶」と、記号や数字、人の名前など、覚えようと意識して得る知識の「意味記憶」があることをお話しました。勉強の中身は基本的に意味記憶。暗記は、社会人になっても資格試験の勉強などで重要になってきます。でも、人によっては、暗記モノが大の苦手な人も・・。暗記のコツってあるのでしょうか?
マジカルナンバー4を活用しよう
必死になって覚えようとしているのに、全然覚えられない――学生時代から、暗記が苦手という人も多いのではないでしょうか。
記憶を「保たれている時間」で分類すると、長期記憶と短期記憶があります。このうち、せっかく覚えてもしばらくたつと忘れてしまう記憶が「短期記憶」です。一度にたくさん覚えられればいいのですが、短期記憶の要領には限りがあって、一度に記憶できる個数が限られているそうなのです。
アメリカの認知心理学者・ジョージ・ミラーによると、そのチャンク(情報の塊)は、7プラスマイナス2(5~9のあいだ)なのだそうです。「マジカルナンバー7」などと呼ばれるもので、月・火・水・木・金・土・日といった1週間の曜日も7つで一区切りになっていますね。
しかし、その後2001年にミズーリ大学の心理学教授のネルソン・コーワン氏が、「マジカルナンバー4」という論文を発表しました。
人間の短期記憶の容量は「4プラスマイナス1(3~5個)」であるというもので、現在はこのマジカルナンバー「4プラスマイナス1」説が有力になっているようです。
4桁の区切りでまず思い出すのが電話番号ですね。たとえば、「46823579」という数字は覚えにくいものですが、電話番号のように「4682―3579」といった具合に4桁で区切ってみると、なんだか覚えやすくなりませんか?
また、よくプレゼンテーションで使われるのが3という数字。「今日は皆さんに3つお伝えしたいことがあります」といった具合に、要点を3つにまとめると相手に伝わりやすいといわれています。
そういえばプレゼン上手の人は必ずといっていいほど「3」という数字を有効活用しています。
「4プラスマイナス1(3~5個)」の区切りで数字や文字を覚える、あるいは人に何かを伝えるときも「4プラスマイナス1」を意識するなど、マジカルナンバー4は、ビジネスの場でも活用できそうですね。
語呂合わせで覚えたり、エピソード記憶に変換して覚える方法も
さて「数字は区切って覚える」以外にも、暗記のコツがあります。それが「語呂合わせ」なのだそうです。
典型的なものが日本史の年号暗記。中学のときに習った「794(泣くよ)ウグイス平安京」という語呂合わせなんて何十年たっても忘れません。
たとえば「4649」という数字を覚えるときは「よろしく」と覚えるなど、暗証番号をはじめ、勉強などで覚えておきたい数字は、語呂合わせで覚えるのもよいかもしれませんね。そのときに、声に出して覚えるようにすると、さらに覚えやすいといわれています。
また、覚えたいことを人にレクチャーすることも有効だといわれています。人は、数字などの無味乾燥な意味記憶は覚えにくいものですが、 自分の経験が関係するエピソード記憶は定着しやすいといわれています。つまり「丸暗記」から「人に話す」という経験に置き換えてしまえばいいというわけです。同じ資格試験を受ける仲間がいれば、互いに問題の出し合いをしながら覚えていくのもよい方法かもかもしれませんね。
要は、ひたすら丸暗記をするのではなく、語呂合わせをしたり、出題し合いっこするなど、おもしろがりながら勉強をするほうが記憶に残りやすいようなのです。暗記ベタの人は、お試しあれ!
<参考資料>
「記憶力を強くする」(講談社ブルーバックス:池谷裕二著)