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女性も多い薄毛・抜け毛のトラブル

日本女性の10人に1人は薄毛に悩んでいるという報告があるほど。髪の健康を守るためにも、日常生活の見直しをしてみませんか?

薄毛に悩む女性が増えています

最近は、TVのCMなどで女性専用の育毛剤や部分ウィッグの宣伝をよく目にするようになりました。それだけ、薄毛を気にしている女性が多いということなのでしょう。実際、日本女性の10人に1人は薄毛に悩んでいるという報告があるほどです。


同じ薄毛といっても、男性と女性は脱毛のパターンがちょっと違います。男性の場合は、頭頂部や生え際から薄くなるのに対して、女性は髪全体のボリュームがなくなっていくことが多いのが特徴。髪の分け目や頭頂部の皮膚が透けて見えるようになってきたりします。
また、男性の薄毛は遺伝的な要素が強いといわれていますが、女性の場合は、間違ったヘアケアやパーマやカラーリングのしすぎ、ダイエットなどの食習慣の乱れなどが大きな原因。さらに、産後はしばらく抜け毛が多くなるなど女性ホルモンの変化も関係しています。
男性と女性では薄毛対策は違います。最近薄毛が気になりだしたという人、髪の健康を守るためにも、日常生活の見直しをしてみませんか? 

シャンプーのしすぎに注意を

頭皮の清潔は大切ですが、かといって過剰な洗髪は、頭皮を乾燥させて、結果として抜け毛の原因となります。髪は顔の肌の延長と考えて、洗顔と同様にシャンプーのしすぎに注意しましょう。とくに大切なのは、シャンプー剤選び。洗浄力の強いシャンプー剤は皮脂を取りすぎてしまいます。髪に優しいマイルドな洗浄力のシャンプーを選んでください。
ところで、髪をさっと濡らしていきなりシャンプー剤を直接頭皮につけて洗う人も多いようですね。でも、シャンプー前に必ずお湯だけで予洗いを。お湯で洗うだけでも、髪の汚れの7~8割は取れるといわれています。


また、シャンプー剤の使いすぎにも気をつけて。シャンプー剤をたっぷり使って、洗わないと気が済まない人もいるようですが、シャンプー剤の分量は小さじ1杯程度で十分です。地肌が荒れる人は、前もってシャンプーを3倍程度に薄めて使うとよいでしょう。シャンプー剤はよく泡だてて、頭全体にまんべんなく置いてから、指の腹でもむように洗っていきましょう。爪を立ててのゴシゴシ洗いは頭皮を傷つけるので禁物です。すすぎは、髪の間に指を入れるようにして、頭皮まで十分にすすぐようにしてください。

頭皮を冷やしてはダメ

かつて、朝シャンが大流行していたときに女性の薄毛が増えたといわれたことがあります。原因は、洗髪後の頭皮の冷え。頭皮が冷えると、血流が悪くなって髪に栄養分が行きわたらなくなってしまうのです。また、生渇きのまま寝てしまうと、頭皮が冷えるだけでなく、髪のキューティクルも傷めます。必ず髪を乾かしてから、ベッドに入る習慣をつけましょう。
髪を乾かすときは、まずていねいにタオルドライをしてから、素早くドライヤーで乾かしてください。ドライヤーをかけるときは頭を前に倒して、後ろから前へ指で髪をかきわけながら乾かしていきます。

頭皮マッサージを習慣に

薄毛や抜け毛に悩む人は、頭皮が硬いことが少なくありません。現代人はパソコンや携帯メールを使って、目や脳を疲れさせることが多いのです。目や脳が疲れていると、頭皮も緊張して硬くなります。頭皮の緊張をほぐし、血行を促すためにも頭皮マッサージを習慣にしましょう。指の腹で頭皮を軽く前後に動かしたり、とんとんと軽くたたいたり、指圧をしても効果的です。頭皮マッサージは、頭頂部に向かって行うと、顔の皮膚のタルミ防止にもつながります。

食生活を見直そう

皮膚や爪と同じように、髪のおもな成分はたんぱく質です。ダイエットをしたり、偏った食生活をしていると、髪に十分な栄養分が行きわたらないだけでなく、ホルモンのバランスも崩してしまいます。基本はまず、髪に栄養が行くように、肉、魚、大豆などのたんぱく質をとること。このほか、髪の成長を促すビタミンB群や、血行をよくするビタミンE、新陳代謝をよくする鉄分や亜鉛など、いろいろな食品からバランスよく栄養をとりましょう。

規則正しい生活を

喫煙や睡眠不足など生活の乱れも薄毛に影響します。またストレスも髪の健康の大敵。自律神経が乱れると、血行不良が起こって薄毛や抜け毛が加速します。当たり前のことながら、早寝早起きをし、3度の食事をしっかりとるなど、規則正しい生活をすることがとても大事。また禁煙をしたり、ストレスケアをすることは、髪だけでなく肌の老化を防ぐためにも大切なポイントです。できることから少しずつはじめてみましょう。

カラーリングやパーマはほどほどに

若い女性の薄毛では、カラーリングやパーマも大きな原因のひとつ。カラーリングでは、一度ブリーチをして髪の色を抜いてから、気に入った色を入れるなど、髪や頭皮に大きな負担をかけていることが少なくありません。「モテ髪」を目指しておしゃれをしたい気持ちはわかりますが、カラーリングやパーマは髪や頭皮にダメージを与えがち。できるだけ避けるか、回数を減らすことをおすすめします。

プロフィール

平田 雅子 先生
皮膚科医
平田 雅子 先生

私のクリニック目白 院長 日本大学医学部卒。皮膚科専門医。

東京医科大学、同大学八王子医療センターを経て、2003、10月から現職。
女性専門医療の第一線で活躍中。
女性医療ネットワーク理事。
日本医師会産業医。
女性の悩みをきちんと聞くことを心がけた診療に定評がある。

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