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夏こそ注意したい、睡眠中のこむら返り

「あ痛ったったったっ~!!!」突然足がつって、激痛に身もだえたことはありませんか? 走っているときや海やプールで泳いでいるときなどに起こったり、就寝中に突然起こったり……足がつるのは筋肉疲労が原因だと思われがちですが、実はそれだけではありません。今回は、夏に気をつけたいこむら返りのお話です。

筋肉疲労や冷房による冷えも原因に

足がつることを「こむら返り」ともいいますが、「こむら(腓)」とはふくらはぎのこと。文字通りふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)に起こりやすい現象ですが、足の裏や足の指がつることもよくあること。足がつるというのは、筋肉けいれんの一種で、筋肉が異常収縮、けいれんしてゆるまない状態なのだそうです。

 

なぜ足がつるのか、はっきりした原因はまだわかっていないそうですが、理由のひとつとしてあげられるのが、神経伝達の不調によるものだといわれています。

筋肉は、脳や脊髄から伝達する信号によって収縮しますが、そのしくみに異常が生じると、特定の筋肉の一定の部分にだけ持続的に信号が伝わるようになり、筋肉が異常に収縮してしまうそうです。

神経伝達の不調は、運動や立ち仕事などで筋肉に緊張が続くときに起こりがちですが、それ以外にも、冷えなど血行不良のときにも起こりやすいそうです。

夏、エアコンをつけっぱなしで寝ていたら、足がつったというときは、エアコンの冷気による冷えから血行不良を起こして、足がつったのかもしれません。

脱水症や熱中症の初期段階であることも

もうひとつ、多く考えられる原因は体内のミネラルバランスの崩れです。

ミネラルは私たちの体の働きを維持するために欠かせない栄養素ですが、とくに筋肉が働くためには、マグネシウム、カルシウムやカリウムなどが重要な役割をになっています。したがって、体内のミネラルバランスが崩れると、足がつりやすくなるといいます。

夏は大量に汗をかきますが、そのときに水分と同時に、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも失われて行きますから、足がつるのは、脱水症や熱中症の初期段階のことも多いのです。

夏の夜は「夜間熱中症」にご用心

え? 熱中症って、昼間起こるんじゃないの? という声も聞こえてきそうですが、夜間熱中症といって、実は夏は睡眠中にも熱中症が起こりがち。熱帯夜では、体内から500mlもの水分が奪われていくといわれていますから、睡眠中も注意が必要なのです。

とくに、アルコールをたくさん飲んだ日は、トイレに行く回数が増えて、飲んだ量以上に体内から水分が失われて熱中症を起こしやすくなります。寝る前と起き抜けに、必ずコップ1~2杯の水を飲んで水分補給をしておくことが大事です。いつでも飲めるように、ベッドサイドには水の入ったペットボトル置く習慣をつけましょう。

 

 

<参考URL>

*「『足がつる』を慢性化させない」(オムロン)

http://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/125.html

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。