夏の就寝中に多い「こむら返り」
誰もが一度は経験する「こむら返り」。
夏はとくに就寝中に起きやすいといわれています。
無意識に伸びをしたときなどに突然こむら返りが起きて、激しい痛みで目覚めたことはありませんか?
なぜ起きるのでしょう?
こむら返りとは?
足がつることを「こむら返り」といいます。
「こむら」とはふくらはぎを指す言葉だそうです。
医学用語では「有痛性筋痙攣」などと表現されているそうです。
その言葉通り、筋肉が自分の意思とは関係なく、筋肉のけいれんが突然起きて激しい痛みを伴います。
こむら返りは運動をしているときなどに起きることもありますが、夏は夜間や明け方に起きることが多いといわれています。
昼間のこむら返りもつらいですが、就寝中のこむら返りは痛みで目覚めるなどつらい思いをします。
なぜ起きる?
さまざまな原因があるようですが、就寝中のこむら返りは筋肉疲労やミネラル不足、冷えや脱水によって起きることが多いそうです。
カルシウムやマグネシウム、カリウム、ナトリウムなどのミネラルは、筋肉の収縮や神経伝達を正常に保つ働きがあります。
体内のミネラルが不足すると、神経伝達や筋肉の収縮などがうまくいかなくなってこむら返りが起きるとやすくなります。
夏に起きやすいワケ
夏はたくさん汗をかいてミネラルが不足しがちです。
食欲が低下して食事をきちんととらなくなるのもミネラル不足に陥る大きな要因になります。
加えて、睡眠中は呼吸や汗で水分が排出されているのに水分補給ができません。そのため、寝ている間は脱水傾向になりがちです。
エアコンによる足の冷えなども重なって、睡眠中にこむら返りが起きやすいとされています。
足がつったときの応急処置
こむら返りを起こしたときには、足のつま先をつかんで甲側にそらせながら、ひざ裏とふくらはぎをゆっくり伸ばすのがよいとされています。
その後は軽くマッサージを。強くもまないように気をつけましょう。
体が硬くてつま先に手が届きにくい人は、タオルをつま先にひっかけてつかってひざ裏とふくらはぎを伸ばす方法も。
足がつりやすいという人は、枕元にタオルを置いて寝るといざというときにあわてません。
改善方法は?
夜間のこむら返りを予防するためには、ミネラル不足、水分不足にならないように心がけることが大事です。
とくに寝る前はしっかりと水分補給を行いましょう。経口補水液も有効なようです。
また寝る前に足やふくらはぎのストレッチを行うことも予防対策のひとつ。
入浴はシャワーで済ませずに、お風呂に入って足を温めて筋肉をゆるめて眠りにつくように心がけましょう。
また、あお向けに寝る人は、足を伸ばした姿勢であくびをしたり伸びをすると、こむ返りが置きやすくなるといわれています。
膝の下にクッションなどを入れて股関節と膝を曲げるようにしたり、横向きで寝ることなどを心がけてみてはいかがでしょうか?
繰り返し起きる場合は医師に相談を
ところで、ひんぱんにこむら返りが起きる場合、その背景に糖尿病や甲状腺の異常、腎臓や肝臓の障害など病気が潜んでいることもあるようです。
気になる人は、一度は受診して病気の有無を調べてもらうことをおすすめします。
なお、こむら返りには漢方も有効だといわれています。医師と相談して漢方を試してみるのもひとつの方法です。
<参考>
※『ウィメンズ・メディカ』(小学館)
※「こむら返り」(健康相談 徳島県医師会)
※「足のつり(こむら返り)」(千葉市医師会)
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