若い奴ほどよく眠る
「春眠あかつきを覚えず」という言葉がありますが、春は眠たくなる季節。中には眠っても眠っても、眠れてしまう、という人もいるのではないで しょうか。でも、「何時間も爆睡できる」のは、ある意味若者の特権なのです。『悪い奴ほどよく眠る』(1960年公開)とは、黒澤明監督の映画のタイトル ですが、『若い奴ほどよく眠る』なのです。なぜなのでしょうか?
年齢をとともに睡眠力が低下する
休日爆睡してしまい、起きてみたら夕方だった」「スマホが鳴っても、目覚ましが鳴っても気づかないで爆睡していた」……こんな経験はありませんか?
あるある、と大きくうなずいたあなたは、若い証拠なのかもしれません。実は「眠る」ことにもパワーが必要であり、「睡眠力」は年齢とともに低下していくことが知られています。
睡 眠力の低下は40歳ごろから始まるといわれています。ちょっとむずかしい話になりますが、そもそも眠りはからだが眠っているレム睡眠(浅い睡眠)と脳が 眠っているノンレム睡眠(深い睡眠)から構成されています。深い眠りであるノンレム睡眠はさらに、第1段階から第4段階に分けられていて、段階が上がるに つれて眠りが深くなっていきます。
専門家によると、年齢を重ねるにつれて、深いノンレム段階(段階3、4)が徐々に減少して、浅いノンレム段階(段階1、2)が増えてくるそうなのです。
若いときは目覚ましが鳴っても気づかないほど深く眠っていたのに、年をとるにつれてちょっとした物音でも目覚めるようになるのは、睡眠の質の変化によるものだったのです。
また、年齢とともに基礎代謝量が減り、昼間の活動量も低くなるために、深い眠りをそれほど必要としなくなるとも考えられています。
加齢とともに肌や体力が衰えていくように、睡眠力も衰えてくるというわけですね。
どんなに眠れても、眠り続けるのは時差ボケのもと
若いときほど爆睡できなくなったという人は、そろそろ睡眠力低下の年代に入った と思ったほうがよいのかもしれません。けれどもがっかりする必要はありません。たとえ睡眠時間が短くても昼間眠くなって困るということがなければ、今の睡 眠時間があなたの必要としている睡眠時間だと考えてよさそうです。
また、眠れる年代のあなたもいくら眠れるからといって、休日の「長時間爆睡」はやめたほうがよさそうです。私たちのからだは、夜は休息して、日中は活動するようにつくられていますから、睡眠リズムが狂うと時差ぼけのような状態になってしまうからです。
睡眠は量より質。「睡眠力」が高くても低くても、 気持ちよく眠りについて、すっきり目覚めて昼間は元気に活動したいものですね。
<参考URL>
・あんみんNAVI
http://www.anmin.com/anmin2/navi_nemuri_1.htm