「座りっぱなし」は寿命を縮める?
あなたは毎日、どれくらい座って過ごしていますか?
「座りっぱなし」は健康を脅かすことはもちろん、死亡のリスクも高めることがいわれています。
「座りっぱなし」の何がいけないのでしょう? 防ぐ方法は?
3割以上が8時間以上も「座りっぱなし」?
デスクワークが多い仕事の場合、食事時間以外は朝から夕方まで座り続けるといったことはめずらしくありません。
プライベートでも座ったままでスマホにゲーム、パソコン、テレビ、友達とおしゃべり……など、気づいたらずっと「座っていた!」なんていうシーンは誰にでもありそうです。
でもこの誰にでもありそうな「座りっぱなし」が、健康や寿命までも脅かすというのですから、話は穏やかではありません。
厚生労働省によれば、平日1日に8時間以上も座っている「座り過ぎている人」は男性で38%、女性で33%もいることが分かりました(国民健康・栄養調査/平成25年)。
また海外の研究では、日本人が平日に座って過ごしている時間は1日に7時間といいます。これは世界20か国の中で最長、No.1だそうです。
私たちは起きている時間の6割を座って過ごしているともいわれます。
さらに座っている姿勢での消費エネルギーは、寝ている姿勢での消費エネルギーと同じという研究もあります。
エネルギーの消費が増えるのは立っている姿勢だけというのです。
1日8時間の睡眠だと仮定すると、1日の大半を「眠って」いるか、「座って」過ごしていることになります。
「座りっぱなし」は生活習慣病のリスク
座っている時間が長いほど健康リスクが高いことが、多くの研究で指摘されています。
「足は第二の心臓」といわれるように、体の筋肉のほとんどは下半身に集中しているといいます。
「座りっぱなし」で動く時間が少なければ、脚の筋力の衰えによる歩行困難はもちろん、例えば血流が悪化してむくみや血栓ができやすくなります。「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」のような状態を引き起こす可能性があるといいます。
血液の循環が停滞することは、代謝機能や免疫力にも影響するともいわれます。さらにはエネルギーの消費が減って、肥満をはじめとする糖尿病、高血圧、心臓病、脳卒中、がんなどの生活習慣病のリスクにもつながることが知られています。
「1日11時間以上座っている人は、4時間未満の人より死亡リスクが4割高くなる」という海外の研究結果もあるそうです。
30分に1回は「立って動く」が理想
座りっぱなしによる健康リスクから逃れるには、なんといっても「こまめに歩く」ことでしょう。
できれば「30分に1回は立って動く」ことが理想だとよくいわれます。
それがむずかしいようであれば、「1時間に1回はデスクから離れる」、それもできない場合は、まずは「立ち上がる」こと。立つだけでも筋肉の収縮をうながすそうです。
さらには「座りっぱなしの時間をいまより10分減らす」ことが大切だとか。
座りっぱなしをやめて、1日の運動時間の合計が60分以上を目安に、体を動かすのが理想的といいます。
立ち上がるきっかけを作るために、例えば、それまで他の人にやってもらった仕事を自分でやるとか、エレベーターを使わずに階段で移動するなど、体を動かす機会を作りましょう。
座ったままでもできる脚やかかとの上げ下げの運動や、俗にいう「貧乏ゆすり」などもよさそうです。
体を動かす機会を作ろう
他にもオフィスから離れた場所でのランチ、朝夕の通勤と帰宅時は電車やバスの中では座らずに立つ、一駅先か手前の駅・バス停まで歩く、駅では階段を使う……など、毎日のちょっとした運動の積み重ねが大事。
自宅でも、そうじや洗濯、買い物、片付けなどの家事を積極的にする、仕事が休みの日は家にこもらず外に出て、ラジオ体操やウォーキングをするなど、座りっぱなしは避ける生活を毎日の習慣にしたいものです。
特に通勤や仕事、プライベートで車を日常的に使用している人は運動不足になりがちといいます。日頃から意識して体を動かすことを心がけて。
ただ、いきなりの激しい運動は事故やケガのもと。少しずつ運動の強度を増やしていき、無理しないようにするのが何よりも肝心といいます。
「イスの上にも30分」……あらためて心に留めたいですね。
<参考>
*「座位行動の定義とその実態」「アクティブガイド〜健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023〜」(e-ヘルスネット/厚生労働省)
*「座位行動を減らして、身体活動量を増やそう」(東京都保健医療局)
*「座っているのは寝ているのと同じ エネルギー消費が増える姿勢は立位だけ」(スポーツ栄養Web/一般社団法人日本スポーツ栄養協会)
*「『座りっぱなし』は寿命を縮める」(関西テレビ放送/2023.12.7)
*「座りすぎにご注意!長時間のデスクワークは寿命にも影響する?」(BifiXヨーグルトマガジン/江崎グリコ株式会社)





