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やせた人も知らず知らずためてしまう、「異所性脂肪」をご存知ですか?

体につく脂肪といって思い浮かぶのが、ご存知「皮下脂肪」と「内臓脂肪」。ところが、最近、第3の脂肪と呼ばれている「異所性脂肪」が注目されています。日本人につきやすく、ついてしまうと体に悪影響を与えるといわれる異所性脂肪――いったいどんな脂肪なのでしょうか。
 

体に悪影響を及ぼす「異所性脂肪」

体脂肪には皮膚のすぐ下にたまる「皮下脂肪」と内臓のまわりにたまる「内臓脂肪がたまる「内臓脂肪」があります。ところが、筋肉や心臓、膵臓や肝臓といった臓器など、本来ほとんど脂肪がたまらない場所につく脂肪があります。

 

これが「異所性脂肪」と呼ばれるもの。最近、異所性脂肪がさまざまな臓器の働きを悪くして、生活習慣病など重大な病気を招く重要な要因になることがわかってきました。

 

異所性脂肪は、日本人につきやすい脂肪だといわれています。日本人は欧米人ほど太っていなくても糖尿病になりやすいといわれていますが、この異所性脂肪が病気を引き起こす原因だといわれています。

 

異所性脂肪は、高脂肪の食事や運動不足などで簡単に増加する

でも、どうして本来脂肪がほとんど存在しない筋肉や内臓に脂肪がついてしまうのでしょうか。

食べ過ぎたり、運動不足だったり、高脂肪のものを食べていたり……私たちがついついやってしまいがちな生活習慣ですが、こうした生活が続くと確実に摂取カロリーが消費カロリーをオーバーしてしまいます。

 

私たちの体は、もともと必要以上のエネルギーを脂肪として蓄える機能があって、消費しきれずに余ったエネルギーは皮下脂肪として貯蔵されています。

ところが、脂肪の量が多く皮下脂肪に貯めきれなくなると、その脂肪は、内臓脂肪へと流れ込んでいってしまいます。さらに内臓脂肪に流れ込んだ脂肪がためきれなくなると、今度は異所性脂肪として脂肪細胞組織以外の筋肉や臓器にたまるというわけです。

 

専門家によると、異所性脂肪は落としやすい反面、1日安静にしたり、暴飲暴食や高脂肪の食事を3日続けるだけでもすぐに異所性脂肪となってしまうそうなのです。しかも、体にさまざまな影響を与えるというのですから、油断はできません。

異所性脂肪が、具体的にどんな悪さをするのか、そしてどうやったら異所性脂肪を落とせるのか? 詳しくは、次回またお話します。
 

 

 

<参考資料>

平成28日11月13日付東京新聞日曜版

 

<参考URL>

「みんなの家庭の医学」番組サイト「太っていなくても要注意! 第3の脂肪とうまく付き合う方法」(ABC朝日放送)

http://www.asahi.co.jp/hospital/archive/doctor/broad_120424.html

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。