「一番風呂」にはリスクあり? どう回避する?
「さら湯は身の毒」と昔からよくいわれます。
1日の疲れを癒してくれるはずのバスタイムに、どんなリスクがあるのでしょう。
そして、さら湯の毒から身を守るにはどうすれば?
毎日、お風呂に入る人、約5割?
冷えて疲れた体をやさしく癒してくれるお風呂。暖かい湯船につかれば、思わず「ア~……」なんて声も自然にもれてしまう至福のひとときです。
みなさんは、どのくらいの頻度でお風呂に入っていますか?
給湯・暖房機器大手のリンナイが行なった「入浴に関する意識調査(全国47都道府県、20~60歳代の男女2,350人対象)」によると、冬の時期に「毎日浴槽につかる」人は53%で、全体のほぼ半数を占めました。
「週5~6日」が9%、「週3~4日」が11%で、7割以上の人が「ほぼ毎日」湯船につかっていることになります。
さらに「湯船につかる」理由(複数回答)についての質問には、半数以上の人が「身体の冷えをとるため」(56%)と回答。次いで「良い睡眠のため」(36%)、「ストレス緩和のため」(34%)、「肩こりや膝痛、腰痛を和らげるため」(32%)が僅差で続きます。
他にも「免疫力を高めるため」(15%)、「スキンケアのため」(12%)などがあります。
「さら湯は身の毒」ってどういう意味?
ところで「さら湯は身の毒」とか、「一番風呂はばかが入る」といったことわざ、慣用句をご存知でしょうか?
「年寄りに新湯は毒」などといったりもするようです。
「さら湯(新湯)」「一番風呂」というのは、「沸かしたばかりで、まだ誰も入浴していないお風呂」のこと。
なぜ、沸かしたての新しいお湯は「毒」で、それに入るのは「ばか」なのか? 新しくてきれいなお湯の方が気持ちよさそうだと思うですが……?
それは、さら湯と体液との「浸透圧」の関係で、体液内のミネラルなどのうるおい成分がお湯の中にしみだし、逆に水分が皮膚内に入ってしまうのだそうです。
体から皮脂などが失われ肌の乾燥を招きやすいといいます。
水道水に含まれる塩素の刺激も皮膚に悪い影響を及ぼすともいわれます。
そんな不安を解消するにはどうするか? 誰かが入ったあとの「二番風呂」がよいともいいます。
「汚い」って? じつは二番風呂は皮脂や汗、古い角質などがお湯に溶けて、皮膚への刺激を和らげてくれるそうです。
でも一人暮らしに二番風呂を求めるのは少し難しいかもしれません。手っ取り早くさら湯のリスクを解消する方法は、やはり入浴剤でしょうか。
入浴剤の種類と効果の違いは?
入浴剤は、さら湯のピリピリした刺激を和らげ、肌をやさしく保護します。大きく6つのタイプに分類され、それぞれ得られる効果が異なります。
・「炭酸ガス系」……お湯に溶かすとシュワシュワと泡立つのが特徴。この炭酸ガスが皮膚から吸収されて血管を広げ、全身の血流量を増やします。新陳代謝が促進され、疲労の軽減や痛みの緩和、冷え性の改善に有効とされます。
炭酸ガスの温浴効果で発汗が促され、体の芯まで温まります。
・「薬用植物系(生薬系)」……生薬は薬効の高い植物からとれる薬で、薬用植物を粉末やエキスにしたものなどがあります。血行促進の効果や植物の香りによるリラックス効果が期待できます。
その他、肩こりや腰痛の緩和、肌荒れ、湿疹を和らげるなど、生薬の種類によって作用は異なるようです。
・「無機塩類系」……硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど、ミネラル成分(塩類)が主成分で、お湯をやわらかくします。
入浴後の保温効果が高く、湯冷めしにくいことから冷え性の改善に効果を発揮するといいます。ひび、あかぎれの予防効果もあります。
「スキンケア系」……セラミドなどの保湿成分が含まれ、入浴後の肌のかさつきが起こりにくく、肌の潤いを保ちます。乾燥肌の人に適しています。
「清涼系」……メントールを配合してヒンヤリ感を出したり、炭酸水素ナトリウムを配合することで入浴後にサッパリ感を味わえます。
「酵素系」……酵素成分は皮膚をきれいにする作用があり、肌をなめらかにする効果が期待されます。無機塩類系と組み合わせることが多いようです。
含まれる成分の違いによって効果もさまざまな入浴剤が数多く市販されています。そうした中からアレコレと試しながら、自分に合った入浴剤を探すのも楽しいかもしれません。
<参考>
*「『冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査』(2023.9.24~10.4調査)」(リンナイ株式会社)
*「一番風呂に入って大丈夫ですか?」(日本入浴協会)
*「もっと温まる、リラックスする。日本浴用剤工業会は、入浴剤の楽しみ方を提案します。」(日本浴用剤工業会)
*「お風呂なび」(アース製薬株式会社)





