
夏疲れと更年期症状
酷暑続きの毎日。なかには更年期症状がひどくなってきたと感じる人もいらっしゃるのでは?
今回は夏の不調と更年期症状のお話です。
夏の不調の1位はホットフラッシュ
ふだんから更年期症状を感じている人にとって、夏場はどんな不調を感じているのでしょうか。
クラシエ薬品株式会社が45歳~54歳の女性412人を対象に行った「夏場の更年期に関する実態調査」によると、夏の時期に更年期症状が気になると答えた人は、実に83.9%にものぼりました。
ほとんどの人が、夏場の更年期症状に不安を抱えているようなのです。
更年期の症状は多岐にわたりますが、「夏(6月~8月)に感じる体と心の不調」の1位は「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)」(20.4%)でした。
次いで「めまい」(12.2%)、「体力の低下・疲れやすい」(8.8%)、「抑うつ気分」(8.7%)と続きます。
夏は更年期症状が助長される!?
ホットフラッシュは1年を通して起きる更年期症状ですが、それに夏の暑さが加わると、突然カーッとのぼせたり、滝のように汗が出てとまらないといった症状が気になることが調査結果から読み取れます。
また、めまいや体力の低下、疲労感などは、熱中症や夏バテでも出てくる症状です。
更年期は女性ホルモンの減少から、自律神経が乱れやすくなりますが、夏は寒暖差疲労やエアコンによる冷えなどによるストレスの影響で、自律神経が大きく乱れて更年期症状を助長させてしまうのかもしれません。
生活改善で自律神経を整えよう
夏の体調不良も更年期症状も「自律神経の乱れ」がキーワード。
自律神経を大きく乱さないように、意識的に生活リズムを整えていきましょう。そのためにまず大切なのが睡眠時間の確保です。
仕事や家事で就寝時間が不規則な人もいるかもしれませんが、家族には更年期で疲れやすい状態であることを伝えて、できるだけ決まった時間に寝るようにして体調を整えましょう。
また疲労を感じるときは「休みなさい」という体のサインだといわれています。
更年期世代は家庭や職場での責任が増えるとき。1日の仕事をこなそうとつい頑張りすぎてしまいがちです。
けれどもひとりで何もかも背負わないこと。ほかの人に頼めることは頼んで、1日にこなす仕事や家事の量を減らすようにしましょう。
夏の養生を大切に
夏は水分補給が重要ですが、冷えた飲料を一度に大量に飲むと胃腸の働きを低下させてしまいます。できれば常温程度の水分をゆっくりこまめにとって胃腸をいたわりましょう。
冷房による体の冷えに気をつけましょう。
また夏はそうめんや冷たいゼリーだけといった食事になりがちですが、偏った食生活を送っていると栄養不足になるので注意が必要です。
運動は自律神経を整えるための大切なポイントになります。夏場は屋外の運動よりもラジオ体操やストレッチなど室内で手軽にできる軽めの運動なら無理なく続けられそうです。
「更年期症状と重なって今年の夏はつらい」と感じている人ほど、これまで以上に夏の養生を心がけて、まだまだ続く暑い夏を乗り切りましょう。
<参考>
※「夏場の更年期に関する実態調査」(クラシエ薬品株式会社
※「幸年期へのカルテ」(栄養と料理/2024.7月号/女子栄養大学出版部)
※『更年期障害 これで安心』(小学館 堀口雅子監修)
※「更年期世代の夏バテ、どうやって乗り切る?」(輝きプロジェクト キッコーマンニュートリケア・ジャパン株式会社
※「夏の養生」(健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団)