骨粗鬆症のリスクを高める生活習慣
骨の健康づくりに大切な栄養素や運動を紹介してきましたが、今回は骨に悪い影響を与える生活習慣や食事について解説します。
骨の健康を損ねる喫煙
骨量が減少する最も大きな原因は加齢や女性ホルモンの減少だといわれていますが、他にも生活習慣などが影響を及ぼすことが知られています。
例えば喫煙。
タバコは骨密度の低下を進めるといわれています。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて骨折のリスクが1.84倍近くになるという報告があります。
またタバコを吸っていると、骨折してから治るまでの期間も長引くことがわかってきたそうです。
タバコは女性ホルモンの分泌を妨げ、がんやさまざまな病気のリスクも高めることで知られていますが、骨にとっても有害であることは間違いありません。
お酒好きの人も要注意
喫煙と共に、過度な飲酒も骨粗鬆症のリスクを高めるといわれています。
多量の飲酒はカルシウムの腸管からの吸収を妨げるそうですから、飲酒の習慣がある人はほどほどにしておいたほうがよさそうです。
カルシウムの吸収を妨げる「リン」
またせっかく意識的にカルシウムたっぷりの食事をとっても、それを阻害してしまう栄養素があるので注意が必要です。
例えば「リン」。リンは人体に必要なミネラルの一種ですが、タンパク質などふだん私たちが口にする食品中に広く含まれているので、現代の食生活では一般に不足することはほとんどないといわれています。
今はむしろ過剰に摂取することが問題になっています。
というのも、リンは食品添加物に多く使用されていることがあげられます。
インスタント食品やハム、ベーコン、かまぼこなど加工食品やポテトチップスなどのスナック菓子、一部の清涼飲料水など、私たちは知らず知らずのうちにリンを過剰に摂取していることが少なくありません。
リンの多い食品を毎日のように重ね食べしないように外食や加工食品に偏りがちな人は、食生活を見直してみる必要がありそうです。
ほかに、食塩やカフェインもカルシウムの尿への排泄を促進させるといわれていますから、とり過ぎに注意して上手に付き合っていきたいものですね。
<参考>
※「喫煙によるその他の健康影響」(e‐ヘルスネット 厚生労働省)
※「リン」(e‐ヘルスネット 厚生労働省)
※「骨粗鬆症における栄養」(骨粗鬆症財団)
※「骨粗しょう症の予防と食事」(千葉県栄養士会)